舞われまわれ | ナノ
「だから何でそうなるの!」 「アレンジだよー、俺なりの。」 「基本が出来ない人間がどうしていきなりアレンジに踏み切るの!!」 三角形だって底辺がしっかりずっしりしているから安定感があるんだ! 基礎が重要!などと学校の先生のようなことをまくし立てるのには理由がある。 メローネがケーキの中にタコを入れようとしたからだ。
「そういえば、メローネが料理作ってるところ見たこと無かったっけ。」 「禁止されちゃってー♪」 「だろうね。」
一足早めのナターレのパーティに向けて、適当にばらけて料理を作っている。 一人暇そうにしてたメローネを見て一緒にケーキでも作るかと声をかけたのが不味かった。
「あれ、でも前私にケーキくれたよね。」 あのイチゴのタルトは絶品だった。
「ああ、アレは真面目に作ったから。」 「普段から真面目に作れよ!!!」 危うくフルーツを切っていた包丁を投げかける。
とりあえずタコを取り上げおかずを作っているホルマジオ達の所へ持っていく。 マリネにでもしてもらおう。
「メローネ!なんでタバスコ持ってるのかな!?」 戻ってくると早速また何かをしでかす気でいるようだ。
「きゃーっ!マキナが怒った!」 「私が間違ってた…リビングで暇してていいよ…。」 「あれ、呆れられてる?」 「うん。」 「…わかったよー、真面目にやりますよ。」 「あれ?」 「半分はジョークなんだぜ。」 「そうですか。」
もう半分は何だと言いたいところだがやる気になってくれたことには変わりないので言及しなかった。 彼にも年上のプライドと言うものもあるのかもしれない。 大人は大変だな、なんて思いながらフルーツを切る作業に戻った。
(じゃあメローネはクリームお願い。) (俺の自家製クリーム使う?) (使わない使わない。)
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