舞われまわれ | ナノ







「お待たせ!」
「おお?あぁ、さっそく履いたのか」
急に身長伸びてびびったぜ、とプロシュートはニカッと笑ってくれた。

「えへへ、似合う?」
「似合う似合う。転ぶなよー」
「それで、はいこれ」
「なんだこれ」

私が袋から取り出したのは靴の手入れ用のハンカチだ。

「男の甲斐性は靴に表れるのよ!」
「ちっ、大きなお世話だ」
「まぁまぁ今日のお礼ということでひとつ受け取ってちょうだい。お店の人いわくシャンパンで磨くのも良いそうだよ」
「は?酒をそんな勿体無いことに使えるかよ」

店員さんは飲み残しとかでと言っていたが確かに彼が酒を飲み残すことはなさそうだ。

「今日はありがとうね」
「おう、とっとと帰るぞ」
「了解であります!」

(帰るまでに2,3回こけたことは秘密だ。)