舞われまわれ | ナノ







「行ったか」
息を殺していたソルベが呟いた。
「プロシュート、面倒見よくなったな」
ジェラートがのほほんと言う。
標的にされたの間違いじゃないか?


「なんか妹君に構われないと構われないで寂しいよねー。プロシュート抜け駆けー」
じゃあお前が名乗りあげればよかっただろ、メローネ。
「あ?てか妹君ってマキナのことか?」
一つ引っかかったことを聞いてみる。

「他に誰がいるのさー。ギアッチョちゃんも寂しかったんでちゅかー?」
「殺すぞ」
「切れんなよギアッチョ。でもまぁメローネの気持ちもわかるっちゃ分かるな。あんだけ年離れてると同業者って分かってても可愛がりたくなる」
俺小さいもん好きだし、とホルマジオ。そういうもんか。

「じゃあ皆付き合ってあげればよかったじゃん」
「男は素直になれないもんなんだよ、イルーゾォ。お前だってその口だろ」
にやにやホルマジオがイルーゾォを小突く。
「否定はしないけど」

「お前ら、絆され過ぎだろ」
ため息しか出ない。
リーダーはそんな俺らを見てなんか、微笑んでいる。
生暖かい視線が気色悪いぞ。
というか、あの顔で微笑まれても怖いだけなんだが。
勿論口には出さない。
喉から鋏が出る事態に陥ることは容易に想像出来た。


まっ…わかんねーでも無いけどよ。