舞われまわれ | ナノ







「あれ、マキナ。お前身長伸びたか?」
今日の分の訓練が終わって一息ついているとイルーゾォがふと思いついたように言った。
「え、本当に?…確かにそうかも!!特訓のおかげかな?」
「普通に成長期なんじゃねーの?」
「ってこれからぐんぐん伸びる!?やったぁ!」
「横にも伸びるかもな」
「っ、うるさい!イルーゾォ、デリカシー無いよ!」
言われてみれば確かに身長が伸びたかもしれない。
このまま伸びると信じて大き目の服買おうかな。




「暇な人ー!」
部屋に広がる沈黙。誰もこちらと目を合わせない。
「あんたら全員暇だろ?」
ここ数日、悲しくなるくらい任務が来ないのを私は知っている。
買い物付き合えや、とガンをたれるが無反応である。

「なんて薄情者なの!誰も荷物もちにさせるだなんて思ってないわよ!」
言いながらプロシュートの読んでいた新聞をひょいと奪った。
「思ってないといった時点で思ってるだろ!」
「うーむ、言いえて妙」
「返せよ」
「暇でしょー。付き合ってよ。昼飯奢るよ!」
「…ったく年下のしかも女なんかに奢られるわけにはいかねーだろ」
「むっ」
男女差別反対!人が折角奢ってやろうと…、
「ほらマキナ、とっとと行くぞ」
「プロシュート…!!!!」
あんたって人はなんて良い奴なんだ!
思わず腕に抱きついてみた。
「だー、歩きづれぇ!離れろ!」
「えへへへへ」

かくして二人で買い物に行くことになった。