おのろけのろけ。



「ジョルノが、町で女の子と歩いてた?」
「ああ、間違いないぜ。この前商店街のほうで見たんだ。あんな髪型、ジョルノしかいねぇ。」
「女の子と歩くことだってあるでしょう。」
「なんだ?もっとあるだろぉ?」
「だって私だって今ミスタと歩いてるじゃない。」
「…そういうもんか?」
「そういうもんよ。」


「っていう話してたのよ。ね、ミスタ。」
マキナとミスタが買出しから帰り、僕たちは今昼食を囲んでいる。
「なんだよ、マキナだって気になってるんじゃねーか。」
行儀悪く机に肘を突きながらミスタはニヤニヤ笑っている。
「ミスタは何なんですか、僕とマキナの仲を引き裂きたいんですか?」
酷く不機嫌そうなジョルノがミスタに絶対零度な視線を送る。
「お、怒るなよー。」
流石のミスタも顔が引きつる。
まぁ人の恋路を邪魔する奴はという言葉もあることだしジョルノの反応も仕方がないだろう。
「まさか、ミスタもジョルノが好きなの!?」
何処か外れた調子のマキナはいつものことだ。
「何でそうなるんだよ畜生!」
「ミスタ、すみません。僕にはマキナと言う人が…」
「何処までが冗談なんだよ!お前の場合!くっそ、フーゴも何とか言ってくれ。」
「失恋ですね。」
「お前もか!」
僕に振っても助け舟を出すわけないでしょう。
「それにしても本当になんとも思わなかったんですか?」
マキナは先ほど話を切り出したときも笑い話のように話していたが、女という奴はそこらへん敏感なんじゃないだろうか。普通はもっと不安になったり嫉妬したりするものだと思う。
「だってジョルノは私が好きだもの。」
あっけらかんと、彼女はのたまった。
「その自信はいったい何処からくるんだよ。ジョルノだって苦笑してるぜ。」
「いえ、僕は別に。彼女らしいなと笑っただけですよ。」
「それだけ愛して貰えてるってことよ。」
「…ご馳走さん。」
「同じく。」
「あらミスタもフーゴも、もういらないの?」
「いやそういうことじゃなくて。」
横で満足そうに笑うジョルノの奴に、妙に苛立ちを覚えたりして。

(おのろけ。)

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