ボス



「うわあああああああああああ!!!!」
「今度は何ですかー?」
キッチンを覗けばディアボロの腕に電子ジャーから熱湯が降りかかっていた。
「あらら」
レクイエムさんとやらは、どうにかしてでも彼を殺したくて仕方が無いようだ。

「そのまま暫く水流しっぱなしにしていてくださいね」
洗面所へ連行して患部に氷をあてがいながら水道水をジャージャーと流し続ける。
洗面所の水は地下水を引いているから年中ひんやりと冷たい。
氷もあてがったし、そんな酷い事にはならないと思いたい。

ここまでして水ぶくれになってしまったら、もうそれはそれである。

「…寒い」
「だったら上半身何か着ようよ…」
ずびっ、と鼻をすすり抗議の声を上げるおっさんはまずは温度調節を自ら出来る範囲でやるべきだと思う。
特に何なんだよ、その網かけ。
服ですらないような画期的なそれは、着ている事で何らかの意味はあるのだろうか。

洗面所にディアボロのくしゃみがこだました。


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