「おい、なんだこれは」
「見てのとおりです」

どこからどうみても紛う事無きコンビニ弁当である。

「だから俺は何故今日はこれなのか、と聞いている」
「それは今日夕食を作るのが、帰り道ふと嫌になったからです」
「毒が入ってたらどうするんだ!」
「大丈夫だよ、スタンドの影響で入ってても痙攣起こすくらいで済むって」
「それは明らかに大丈夫の部類じゃあない」

私のスタンドの能力のおかげで、彼に降りかかる死は自宅でどうにかできる程度の怪我程度に収まっている。
もっと感謝して欲しいものだ。
まぁ私も愛する自宅で人が死ぬ現場を見たくないわけであるけれども。

「まぁ、たまにはいいじゃない。食べないならそれでもいいけど…餓死までは面倒見切れるのかなぁ…」
だとしたら、私かなり凄い。
家から出ない限り、一生家の中で生活が完結できるんじゃあないだろうか。
ニート万歳、しかしそうなるとこうして毎日働いている事が嫌になるのであまり考えない事にしよう。

電子レンジに弁当を持っていけば、静かに私から一番遠い席に座り始める辺りこの中年男性も可愛げがあるというものである。

ヴィジュアルは全く可愛くないけど。


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