ドゴォッ!
頭に響く鈍い衝撃にたたらを踏む。
たたらを踏む?
首を折るのではなく。
「…生きている…?」
そう、たたらを踏む程度で済んでしまっていたのだ。
「大丈夫ですか?」

がばっ、と此方に近づいてきた女から距離を置く。
つまり先ほどの本の落下はブラフで、真の死が何処からかやってくるのだろうか。
回避する事は不可能な死。
だが、それを分かった上でも訳も分からず死ぬのは避けたかった。
自分の死を理解した上で死にたい。
だから俺は回避する事を諦めつつも、何処からやってくるとも知れない死を警戒し続けている。
ふと上を見上げれば銀色に光るペーパーナイフ。
今度は棚に置かれたそれが俺の口の中めがけて落ちてき…

「…何…?」
ナイフは頬を掠めただけで床に転がった。
「わっ、血が…ペーパーナイフそんなところに放置してたかな…」
とりあえず手当てを、と呟く女の背後に影が見えた。
「…貴様、スタンド使いかっ!!!!」
「スタ、ンド?」
女が首をかしげると、その影も共に首をかしげた。

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