蓮華草



太股にナイフを突き立ててみた。
なんてことはない、痛くないのだから。
もうこの足には痛みが走ることは無い。
麻痺して使えない足。
そんなものに意味はあるのか、それでも何かを夢見て僕はこの足を切り落とせない。
溢れてくる血だけが僕と足が繋がっていることを教えてくれた。

「ジョニィ!!!何してるの!?!?」
「ああ、これかい?大丈夫だよ」
慌てて止血をしてくれる彼女を笑いながら抱きとめる。
「見てよこれ。もう痛くないんだ。」
こんな使えない足のために彼女が悲しそうな顔をする必要はないのに。
笑ってほしくて言ったのに、彼女はますます悲しそうな顔をした。
「…それじゃあ何でそんな顔してるの?」
「何が、」

「そんな迷子の子どもみたいな泣きそうな顔で。」

(痛くないわけ、ないじゃない。)

レンゲソウ:私の苦しみを和らげて
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