「お腹減ったねー…飯にしようか」

「…」


「よっこいせ、」なんて爺臭い台詞を吐きながら立ち上がればつられて小太郎ちゃんも立ち上がる。そしてこてん、と外に視線を向けて首を傾げた。因みに時刻は昼の1時を過ぎた所。


「あ、腹減ってない系?」

「…」


こくり、頷かれる。

それからおもむろに小太郎ちゃんは俺の手を取ると掌にまたさらさらと指を走らせる。しかも今度は名前の時より長い。


「ちょ、ちょい待ち小太郎ちゃん!」


制止をかけて紙とボールペンを持ってくる。小太郎ちゃんの前で何度か試し書きをして渡せば至極不思議そうに紙にペンを走らせた。


10分後。
書いてもらった事によって格段に分かりやすくなった小太郎ちゃんとの会話。とりま小太郎が聞きたかった事は

「昼に食事を摂るのか」

らしい。
この質問からするに、どうやら小太郎ちゃんは昼飯を知らんらしい。君はほんとにどっから来たのよ、戦国時代じゃあるまいに昼飯知らんて…


「この時間にも食うよー。つか腹が減ったら食う」

「…」


この分じゃきっとガスコンロなんかも知らんだろう、ついでに教えてしまえ。小太郎ちゃんの手を引いてキッチンに連れていけば今までいたリビングと別世界なそこに小太郎ちゃんの握った手が小さく震えた。



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