進撃 | ナノ


※短編「境界線で息をする」と少しだけ繋がってますが、単品でも読んで頂けます。



美味しいディナーを食べて、通された清潔感溢れる部屋でたわいもない話をし、交代で調査兵団の宿舎にはない綺麗すぎる風呂へ入り、またたわいもない話をしながらこの幸せな時間を噛み締めていた───はずだったのに、気が付いた時にはナマエの視界にはリヴァイと天井から吊るされている豪華なシャンデリアが映った。

「……ッ」

リヴァイの黒髪の僅かな隙間からシャンデリアの灯りがキラキラと差し込んで映えている。それがあまりにも魅力的で思わず見蕩れたが不意に名前を呼ばれて肩を震わせた。

「ナマエ」
「ッは、い……」
「怖いか?」
「……少し、」

素直に答えればナマエの手首を掴んでいるリヴァイの手の力が少しだけ強くなった。それでも痛みは感じず、ただ温かい体温を感じた。緊張からガチガチに固まる身体だがマイナスな感情はほとんどない。

「聞いておいて悪いが、俺は待てそうにない」
「ッ……」
「優しくする」
「リヴァイさん……」
「だから俺を受け入れてくれ」

リヴァイの懇願するような口調に、珍しく思いながらもナマエにはイエスの選択肢しか残されていないことがわかる。けれどここにいるのは自分の意思だからと少しの恐怖心を抑え込み、恥ずかしさから言葉は出せなかったが首を縦に振って見せた。

「ナマエ、愛してる」
「ンッ……!」

合意を確認したリヴァイはグレイの瞳を僅かに緩めてキスをした。でもそれをたった数秒間で離してしまう。本音を言うならばもっと激しく求めたかったが恥ずかしがり屋のナマエへの配慮だった。

「……り、リヴァイさん…?」

リヴァイの指が身体のラインをなぞりながらナマエの頬を優しく撫でた。

「ナマエは今、俺に何をされてる?」
「え……?」
「教えろ」
「ッ……ほっぺたを撫でられて、ます…?」
「ああ、そうだな」

問いに疑問を感じながらも答えればリヴァイは満足そうに言う。更にそれは続き、彼の手はナマエの胸をバスローブの上から優しく揉む。

「これは?」
「え、え、おっぱい……触って、る」
「ああ。じゃあ次だ」
「ン……ち、くび……触ってる…」
「その調子だ」
「ひぁッ!?」

頬、胸、乳首と順に触れていきそれを答えさせるリヴァイだったが、彼のドS心に火が付いたのか急に乳首を痛くない程度に摘み上げたのだ。当然、予想もしていなかった快感を感じたナマエは大きく声を出してしまい、慌てて両手で口を塞いだ。

「ふ、いい声だったな」
「ッ……い、意地悪です!」
「そう怒るな。褒美をやろう」
「んむッ…!?」

意地悪そうに唇を弧にするリヴァイにぷりぷり怒るナマエだったが、それすらも彼には興奮材料でしかない。両手が口元から離れた隙をつかれて再び唇が重なった。

「ん、んッ、む、ふッ……ン、」
「は……ん、」

今度のキスは一度目の触れるだけのキスとは違って唇を啄んだり、舐めたり、甘噛みしたりと貪るようなキスだ。ナマエは手のひらでリヴァイの胸を押し返しつつも必死で応えた。

「今、何されてた?」
「えっ……き、き、す……」
「もっと詳しく言ってみろ」
「……唇、ペロッて……され、たり…」
「ん、よく言えたな」

もうナマエの羞恥心は最高潮に近い。反対にリヴァイはゾワゾワと欲が掻き立てられて興奮が収まらない。彼女が気持ちを言葉にすることがあまり得意でないと知っているからこそ、その気持ちを汲み取り配慮したい理性と無理にでもナマエの口から伝えてほしいわがまま。今は圧倒的に後者が勝っていた。

「あッ……!」
「抵抗するな。綺麗だ」
「うぅ……」

そして遂にリヴァイの手はバスローブに掛かりあれよあれよという間に一糸纏わぬ姿にされてしまった。反射的に胸を両手で隠したがリヴァイがニヤリと不穏な笑みを浮かべたことに気付けなかった。

「ひゃッ!?」
「想像以上に濡れてるな」

胸ばかりを気にしていたがリヴァイの手は胸ではなく陰部のワレメに。足を閉じようとするが押さえられてしまい叶わない。

「ふ、ぬるぬるしてるぞ」
「や、嫌、言わないで……」
「じゃあ自分で言ってみろ」
「え、そんな……」
「俺に何をされている?」

言えよ、とグレイの瞳が無言の圧を掛ける。その瞳は欲に燃えていてどこか艶やかだった。

「ッ……リヴァイさんに、触られてる…」
「どこを?」
「え、それも言わなきゃだめですか…?」
「当たり前だ」
「う、ぁ、う……」
「ほら、早く」
「…………ッわたしの、ぬるぬるしてるところ」
「どんな風に?」
「……や、優しく…」
「上出来だ」
「んッ?!」

顔を真っ赤に染め、すごく小さな声で言えばリヴァイは己の中の欲望が一気にカンストしたように感じた。今すぐにでも自身をぶち込みたい欲を僅かな理性で抑えてナマエに優しく声を掛けてやる。と同時に指を一本蜜壷へ挿入た。

「指一本でもわりとキツいな」
「うう……なんか、変な感じ…ッ」
「怖がるな。出来る限りゆっくり慣らしてやる」

指は挿入たまま、もう片方の手で頭を撫でてやるとナマエはふるふると震えながら目には涙を溜めて、リヴァイの腕に擦り寄った。小動物のような愛くるしさにも見えるが彼女の仕草、行動の一つひとつがリヴァイの理性を確実に壊していく。

「(相手は初めてだ、もう少し耐えろ)」

そう自分に言い聞かせて頭を撫でていた手で胸を揉んでやる。ナマエはピクッ、ピクッと小刻みに反応を示してシーツを握り締めた。

「柔らけぇ」
「ん、ふ、んん……」
「(かわいいな…)」
「あ!ぁあッ……!」

指一本をぬるぬるとゆっくり抜き差ししつつ、乳首を口に含んで吸ってやれば声を我慢していたナマエから高い声が出る。本人はそれが恥ずかしいのだろう、片手で口元を抑えているが指の隙間から漏れる声が更にやらしいのだと言うことは知らない。

「我慢しなくていい」
「ひ、ぁッ、ん、やぁ……!」
「(もうすぐだ……ようやく繋がれる)」

自分の下で鳴くナマエが可愛くて、愛おしくてリヴァイはどうにかなりそうだった。ゆっくりしてやれと囁く天使と早くやっちまえと囁く悪魔。両者にぐらりぐらりと揺れながら強靭な理性を何とか保ちながら愛撫を続けた。

そうして、大切にすると言っておきながら初めてで抱き潰されるナマエの姿があったのは翌日の話。


2021 0411

進撃完結おめでとうございます。そしてお疲れ様でした!


mae tugi 50 / 60

×