進撃 | ナノ


───あの日から、身体が疼く。



ナマエは湯浴みをしながら疼く己の身体をぎゅっと抱き締めた。
遡ること1週間前。恋人であるリヴァイと身体を重ねた日、これでもかという程に抱き潰されたナマエ。その日が初めての機会ではなく、何度も抱かれたことはあったがあんなにも狂ってしまいそうな程抱かれたのは初めてだった。今までもリヴァイはねっとりとして激しい求め方をし、彼より体力の少ないナマエは事後はピロートークを楽しむ暇もなく気を失うように寝てしまうことが多かったが、あの日は本当に快感に翻弄され気を失った。それは今までの行為はリヴァイなりに手加減をしてくれていたのだと知る。

「感覚が、まだ忘れられない…」

そっと手のひらで腹に触れる。深いキスを繰り返し、肌を撫でられ、乳首をこねられ吸われ、一番敏感な突起物を擦られ押され、リヴァイのモノが何度もナカを激しいピストンで突いた。その際に外からでもわかるくらいにリヴァイのモノによって腹の形が変えられ、まるで自分の腹の中でエイリアンか何かが暴れているようだった。しかしそれが忘れられない程の快感となりナマエの身体にしっかりと残っていてゴリッとナカを抉られるような最奥を突かれたあのヨさは彼女を狂わせた。

「…ッ、はぁ、だめ…」

思い出すだけでじわりと熱を孕む下半身。それはきっと湯浴みのせいではない。ナマエは欲望に敵わず腹に触れていた手を下半身に伸ばした。入口に触れると、思い返していただけなのにとろみのある液体が溢れていて早くも突起物を濡れた指で刺激し始めた。

「ふッ、ぁ、あぁン…!」

ぬるぬるの指で突起物を擦れば擦る程、身体が熱くなり鼓動も早くなり快感がナマエを襲う。次第に外だけでは物足りなくなって指をナカに入れて出し入れを繰り返す。気持ちいいのに指では満足出来なくてもどかしさから腰が揺れる。

「あッ、や、リヴァイさ、ッッ…」

愛しい彼の名を呼べば湯浴み場に響いた。今この快感を得ているのは自分の指なのに自然と出てしまう声。リヴァイのいないところで一人でするなんてはしたない女だと快感に浮かされた脳で考えた。気持ちいいはずなのにあの日の快感には程遠く求めているモノがない身体はただ熱を帯びるだけだった。

「や、んッ、足り、ないの…っ指じゃ、足りないのぉ…!ぁ、ああああああッ!」

突起物を擦っても指でナカを掻き回しても絶頂を迎えても満たされない身体。それはきっとリヴァイを求めているから。指を抜けばビクンと痙攣し快感の余韻に浸る。

「………なにやってるんだろ、」

今までは一人ですることなんてなかったのに、とはしたない自分が恥ずかしい。上がった息を整えて頭からお湯を被る。ここが個室の湯浴み場で良かったと思った。個室が与えられない下級兵士は大きな湯浴み場を交代で使用しているのでこんなことは絶対に出来ない。
ナマエは用意しておいたタオルで水分を拭き取り、下着とラフなワンピースを着用して部屋に戻るとそこには思いがけない光景が。

「ッ!?」
「…随分と長風呂だったな」
「リヴァイさん…!」

一人用のソファーに腰掛けるリヴァイの姿にナマエは動揺を隠せない。いつからいたのかはわからないが彼の手元にある紅茶の入ったカップを見れば少し前からいることが理解出来た。カップの中の紅茶は半分より少なかったからだ。

「もう、来るなら事前に教えといてくださいよ。びっくりしたじゃないですか」

先程の動揺を隠すように笑って言えばリヴァイは無言のまま独特なカップの持ち方で紅茶を啜る。

「何もお構い出来ないですけど。あ、そうだ、こないだハンジさんからもらった焼き菓子があったと思います。出しますね」

上手く隠せただろうと安堵しながらナマエは戸棚を開いて目的の焼き菓子を探す。カチャンとカップをソーサーに置く音が聞こえた。一番上の棚に焼き菓子を見つけ、取ろうと手を伸ばしたがその手首を後ろから掴まれて動きを止められる。

「り、リヴァイさん…?」
「…なぁナマエ」
「は…はい…」
「満足、してねぇんだろ?」
「…!?」

リヴァイの一言にドキンと胸が高鳴ったと同時に冷や汗が額に滲んだ。

「一人でするなんて淫乱かよ」
「や、違うの…!」
「違わねぇだろ。ここは濡れたままだ」
「あッ…!?」

腕を掴んでいない手がするりとワンピースを捲り、下着越しにワレメをなぞる。湯浴み場でした時の名残りはしっかりあってヌルッとした感覚がナマエの身体を跳ねさせた。

「身体は嘘はつけねぇからな」
「ひっ…」
「お前のやらしい声、丸聞こえだったぞ」
「ンンッ……やだぁ…!」

下着越しに責めるように指を動かされれば一人でした感覚と以前リヴァイに抱かれた記憶が一気に蘇る。それをリヴァイに知られていたのだと知り上手く隠せたと安心した自分がバカだと思った。リヴァイ相手に嘘を隠し通すなんて無茶だ。恥ずかしいのに直に触れて欲しくて堪らず腰が自然と動いた。それに気付いたリヴァイはナマエの手を引いてそのままベッドの上へ。

「欲しいか」
「ッ…」

柔らかいベッドに組み敷かれ、ナマエの心臓は激しく脈打った。それが恐怖なのか羞恥なのかと問われればきっと後者だ。

「答えろ。ここに欲しいかと聞いている」

ツゥッとリヴァイの人差し指がナマエの腹を縦になぞる。それにぶるりと身を震わせれば彼は楽しそうに喉で笑った。

「ちゃんと言えばお前のしてほしいことしてやるよ」
「リヴァイさん……」

もうナマエの欲望ははち切れる寸前だ。まさかこんなにも自分が恋人によって淫らに開発されてしまっただなんて恥ずかしくて堪らない。けれど素直になればまた快感を味わうことが出来る。ずっと求めていたあの快感を。

「……リヴァイさんの、が…欲しいです」
「俺のを、どこに?」
「ッ…ここ」

ナマエは羞恥心を捨て、指でそっと自分のワレメを触ってアピールをする。流石にそこを割って見せるなんて真似は出来なかったが、顔を真っ赤にしておずおずとソコに触れる姿だけでリヴァイの欲は掻き立てられた。

「上出来ってことにしといてやる」
「ン…」

降ってきた優しいキスはすぐに舌同士を絡め合う深いものに変わる。ちゅくちゅくと音が鳴り開いた口の隙間から甘ったるい声が漏れ、お互いの欲望は更に高まっていく。

「んん、はッ、ぁ…ふッ、」
「ん……ナマエ…」
「ぁ…りば、いさんっ…」

リップ音と共に離れた唇はどちらのものかわからない唾液でてらてらといやらしく光っている。リヴァイはナマエの口の端から一筋唾液が伝っているのを親指で拭った。

「…忘れられなかったんです」
「……」
「この前、リヴァイさんがわたしを抱いてくれた時………今までで一番気持ち良くて、身体が疼くんです…」

ふるふると震えながら、瞳には薄らと涙を溜めて話す。

「早く、リヴァイさんが欲しい…」
「クソ…!」
「ひぁっ!?」

いつもは言わないセリフにリヴァイの理性はプツンと切れた。もう下半身は痛いくらいに膨れ上がっている。少し強めに首筋に噛み付いてやれば痛いと小さな声が漏れ、噛み付きから吸い付きへ変える。強く吸い付けば白い肌にはくっきりと鮮やかな赤い痕が残った。

「そんなところ……見えちゃう」
「…相当気に入ったみてぇだな」
「…?」
「ポル○オセックス」
「ぽ、る……?」

初めて聞く単語に首を傾げればリヴァイは知らねぇか、と嬉しそうに言う。

「ここだ。子宮の入口付近に上手く当ててやると想像以上の快感を得られる」
「あっ…」

ぐい、と押し込むようにリヴァイの指が腹の上からそこを指す。

「ずっとここで感じられるように開発してやったんだ。こんなにも早くそうなるとは思わなかったが」

いつになく上機嫌なリヴァイは小さな口で話を続ける。ナマエはその声を聞いていたいと思う反面で中途半端に焦らされた身体は早く早くと急かすように快感を求めている。自然とリヴァイの頬に手を添えていた。

「…あ、あの…」
「………」
「………」
「どうした?」
「……は、やく…」
「あぁ、そうだったな」

リヴァイは意地の悪い笑みを浮かべるとナマエが着ているワンピースをたくし上げ、ブラジャーのホックを外し、露わになった胸を大きな手で包むように揉んだ。

「俺が早く欲しいんだったな」
「…ッ、意地悪です」
「ナマエが悪い。俺はお前をめちゃくちゃにしたくてたまんねぇ」
「め…めちゃくちゃにでも何でもしてもいいから、お願い…!」

強請るナマエにリヴァイの下半身は更に膨張し、硬さを増した。今夜は寝かせてやれないだろうと思うリヴァイと今夜はどんな快感に浮かされるのだろうと考えばかりが先走るナマエ、2人の夜は始まったばかりだ。


2020 0603


mae tugi 34 / 60

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