※リヴァイの下品さとキャラ崩壊具合がヤバいです
───ついこないだ、あいつを抱いた日のことだ。俺に組み敷かれてぷるぷる震えるナマエの服を引っペがしてやれば『恥ずかしい』と小さく口にした。そんなのに構わずグイッと足を掴んで広げさせればナマエは顔を更に赤くして『見ないで』と両手で顔を覆っていた。そんな時に見ちまったんだ。あいつのふくらはぎに剃り残した1本の毛を。白くて柔い肌に短い黒い毛が1本。剃りそびれたんだろうなと思った。それがどうしようもなくかわいくて、愛おしくて、思わずそこを噛んちまったんだ。
「ねぇねぇねぇねぇ!その話どこから突っ込んだらいいのかな!?」
ガン!とグラスを叩き付けるように机に置いたハンジは呆れた顔で言い放った。一方のリヴァイは独特な持ち方でグラスに入った酒をグイッと煽り、ハンジを睨む。
「クソメガネ……遮ってんじゃねぇよ」
「そりゃ遮るだろ!?もしかしなくても酔ってるでしょあなた!」
「酔ってねぇ…俺は酒に強い方だと、テメェも知ってるだろ」
「いーや、酔ってるね!!そうじゃなきゃリヴァイがナマエとの惚気を話すはずがないじゃないか!」
ビシッと指をさしてハンジが言ってやれば、リヴァイは眉毛をぴくりとも動かさずに再びグラスに口を附けた。
「…そうだ、ナマエの話の途中だったな」
「もう毛の話はいいよ…」
「バカか。ナマエは俺の為に毎日手入れしてんだよ、一生懸命な。それがたまたま剃り残されてたんだ。健気だと思うだろ…」
「ナマエがかわいくて健気だってことは知ってるから。痛いくらい知ってるから」
「…は?クソメガネテメェ、ナマエのかわいさを俺の了承ナシに語るんじゃねぇぞ」
「もう何こいつ…!!」
とうとうまともな会話さえ成り立たなくなってきたリヴァイに珍しくハンジが頭を抱えた。ここが居酒屋ではなくリヴァイの部屋で良かったと思う。そもそも、こうなったのは昨日に貴族とのパーティから帰ったリヴァイが気疲れしていた為、それを口実に酒を飲みたいハンジが誘ったことが発端だった。もちろん貴族のパーティのように堅苦しくせず気楽に飲めるよう彼なりの気遣いもあるがここのところ実験詰めだったので小休止として飲みたかったのが一番の理由。しかし思ったよりもリヴァイのペースが早く、疲れもあってか酒に強いと噂の彼が酔ってしまうという予想外の事態に。楽して酒が飲めると踏んだハンジの失態だった。
「…よっぽど疲れてたんだねぇ。とりあえず今日はお開きにしようか」
「待て。まだナマエのかわいさについて語り足りねぇ」
「もういらないよ!!」
少しでも貴族とのパーティに出向いたリヴァイを気遣ったハンジが間違っていた。いつまでもここにいては夜が明けるまで語り尽くされるかもしれない。巨人についてならいくらでも語れるハンジでも流石に他人の惚気を長時間きいてはいられない。グラスに残った酒を一気に流し込んで片付けようと立ち上がった時、控えめにノックが響いた。
「……リヴァイ兵長、いますか?」
「ナマエ!」
「あれ、ハンジ分隊長?」
「ちょうどいいところに!!」
「え?え?」
ノックをした主は先程の話題に上がっていた人物だった。ハンジは待ってましたと言わんばかりに扉を開きナマエの手を引いて部屋へ半ば強引に引き入れた。
「待ってたよナマエ!」
「…ナマエ、来たのか」
「えっと……これはどういう?」
いつもとは様子が異なる2人。経緯がわからないナマエにハンジがざっくりと説明した。自分の居ぬ場所でそんな話が繰り広げられていたのかと知るとナマエは顔から火が出そうだった。
「という訳で、飲みに誘ったのは私なんだけど今日ばっかりは付き合いきれないから!後は任せたよ!」
「えっっ、ちょっと分隊長!?」
ハンジは自分が使用していたグラスを持つとさっさと部屋を出て行ってしまった。残されたナマエは酔っ払うリヴァイをどうしたものかと考えたが、答えを導き出す前にリヴァイに抱き締められた。
「りッ、リヴァイ兵長…?」
「おい……俺がいながらハンジの名前ばかり呼ぶのはいただけねぇな」
「そんなんじゃないですから!でもリヴァイ兵長がここまで酔うのは初めて…ですよね?」
「酔ってねぇよ。ちゃんと意識もあるし今からどうしたいかも考えてる」
「え…?」
そういうや否や、リヴァイはナマエを床に押し倒した。
「え、ちょ、兵長?!」
「兵長じゃねぇ、リヴァイだ」
「……リヴァイさん…」
「いい子だ」
「あ!な、なにを…?!」
リヴァイはナマエが履いているブーツを脱がせ、腰布やベルトを取っ払い、ズボンをずり下ろし、下着が丸見えの状態で足を広げさせた。ナマエは今から何をされるのかと訳が分からないままで、羞恥心と少しの恐怖心に煽られる。リヴァイは彼女のふくらはぎをじっと見つめた後、軽く舌を打った。
「……チッ、剃ったのか」
「へ?」
「こないだ抱いてやった時、ここに剃り残した毛があったろ」
「え、えッ、リヴァイさん、気づいて…!?」
「いつも綺麗に、俺の為に手入れしてるんだって思うと、そんなとこもかわいくて仕方ねぇ」
「や、やだ……そんなところ、見て欲しくなかった、のに…恥ずかしい…ッ」
「たかが1本の毛だ。それで嫌う訳がねぇ。それどころか愛おしくてたまらねぇよ」
リヴァイはナマエの足にそっと触れるだけのキスを落とす。初めて見る彼の酔っ払った姿にうっとりする間も見入る間もなく、ナマエはただ組み敷かれてされるがままだ。
「ん………リヴァイさん、今日はお疲れでしょう?早く寝た方が…」
「あ?早く俺に抱かれたいってか?ナマエから誘ってくるなんて珍しいな」
「ち、ちがッ……そうじゃなくて!寝て欲しいだけなのに…!」
「わかった。焦らずともじっくり抱いてやるから、な?ナマエ?」
「やッ…!?」
何もわかってない!と叫びたいナマエだったが、僅かな抵抗虚しくナマエは酒に呑まれたリヴァイに抱かれてしまうのだった。
記憶が残るタイプのリヴァイは翌日、すっかり酔いが冷めたのはいいが己の失態を知りハンジに八つ当たりするのだった。
「クソメガネが…」
「私、被害者じゃん!!!」
2020 0414
mae tugi 30 / 60