進撃 | ナノ


リヴァイさんは、優しい。

ナマエはふと思った。人類最強と謳われ、その鋭い目付き、無愛想な態度からリヴァイを恐れている人も少なくはない。現に今日の昼、新兵指導の際に相手が訓練兵団を卒業したばかりだと言うのにも関わらず手加減一切ナシで扱きまくっている姿を見た。そんな彼だが本当は仲間想いで優しいことは一部の人間だけが知っている。

「…ナマエ」
「は、い…」
「いいか?」
「……ッ」

シングルベッドに男女が2人。ナマエが目を伏せて恥ずかしそうに頷くとリヴァイはニヤリと笑って押し倒した。行為をする時、彼は必ず同意を得る。付き合ってそこそこ長いが今までに一度も無理やりしたことはなかった。リヴァイがボタンを外したり衣服や下着を取り払う手付き、上から見下ろす瞳、綺麗に弧が描かれた薄い唇。その全てに優しさが滲んでいた。

「……あっ!」

全ての衣服が彼の手によって脱がされ、リヴァイもジャケットとシャツを取り払い上半身が露になる。細いがしっかりと筋肉が付いている逞しい身体にナマエは見とれてしまう。その隙にリヴァイの唇がちうっと首筋に吸い付いた。チリッとした痛みがしたと思えば、そこは赤く花が咲いたようになっていた。

「や、そんなとこに、痕…」
「お前が俺のもんだって印だ」
「はぅ…!」

きゅう、と胸の頂きを抓られ思わず快感から声が上がり腰を反ってしまう。

「り、リヴァイ、さん、キス…したい…」
「わかってる」

そういえば今日はまだキスをしていないとナマエが強請れば、噛み付くようなキスが降ってくる。まるでそれは唇ごと食べられているような感覚でナマエは唇をきゅっと結んだ。

「…おい、」
「んんッ…は…ッ」

リヴァイが鬱陶しそうに呼び掛け、ナマエの唇を甘噛みする。それに応えるように彼女の唇が薄く開かれて待っていたと言わんばかりに数ミリの隙間に舌をねじ込み、こじ開けさせる。

「ん、ふッ……ぁ…ン、」

リヴァイの舌はナマエの舌を絡めたり、歯列をやらしくなぞったり容赦なく口内を犯していく。ナマエも必死になって舌をちろちろ動かした。そのぎこちない動きは更にリヴァイの欲を掻き立てた。

「はッ……」
「ぷぁ…!」

唇が離れると名残惜しそうに2人を繋ぐ銀の糸が光る。ナマエはうっとりした瞳でリヴァイを見上げた。

「物足りねぇって顔、してるぞ」
「ッ……そんな、こと…」
「ナマエはキスが好きだな」
「……それはリヴァイさん、だから…」
「ふ、あんまりかわいいこと言うなよ」
「ん…」

先程とは違って触れるだけのキスを落とす。リヴァイの手が再び胸に伸びようとしたがナマエが指同士を絡めるようにして、彼の腕を抱き寄せた。

「…どうした」
「………」
「今日は気分じゃなかったか?」
「ううん……そうじゃなくて、」

優しすぎる声色にナマエの胸がきゅん、と疼く。リヴァイはいつもそうだった。同意を得た上の行為なのに、最中はいつも痛みを気にしてくれたり身体を必ず気遣ってくれていて、何かあればこうして優しく問い、一旦行為を止める。その態度がただの一方通行じゃない愛のある行為だと感じさせてくれた。処女を捧げた時はもちろん処女を失う痛みを伴ったが、リヴァイとの行為は気持ち良いものだった。

「…リヴァイさんは、いつも優しいなって」
「急にどうした」
「する時、いつも聞いてくれるでしょう」
「恋人だからと無理に抱きたくねぇからな」
「…ふふ、やっぱり優しい」

ナマエはにっこり笑って抱き締めたリヴァイの手の指先にキスを落とした。

「おい……煽ってんのか?」
「んー、そうかもしれないです」
「テメェ…」
「あっ」

リヴァイがナマエの腕を振り解き、手首を掴んでシーツに押し付ける。首筋に一つの痕、隠されずに広げられている胸、その白い肌。煽っておきながら頬を赤らめていて、上から見下ろすと支配欲が湧いてくる。

「優しいリヴァイさんも好きだけど、たまに強引になるリヴァイさんも好きです。貴方になら……多少乱暴にされたっていいって、思っちゃうくらい」
「ッ…ふざけんな」
「きゃっ…!?」

思ってもみなかった言葉にリヴァイの中でプツンと何かが切れる音がした。そういうや否や、リヴァイはナマエの手を引いて一旦起き上がらせぐるっと半回転させるとうつ伏せで尻だけを高く上げる体勢にさせた。今までしたことがない体位にナマエは流石に先程までの余裕を失い、慌てた。

「あ、あの……リヴァイさん?」
「悪いのは俺を煽ったナマエだ」
「……、」
「覚悟は出来てるだろうな?」
「ひ、ンッ…!」

高く上がった秘部をべろりとリヴァイの舌が下から上へと舐め上げる。既に溢れている蜜が更にじわりと溢れ出すのがわかった。

「は、こんなに濡らしやがって」
「……リヴァイさんのせいです、」
「言うようになったな」
「あ!やぁ、ん…!」
「今日もいい声で鳴けよ?ナマエ」

ギラリとリヴァイの三白眼が光る。彼にならめちゃくちゃにされてもいいと願うナマエはただ流れに身を任せようとリヴァイの首に手を回した。


2019 1231


mae tugi 24 / 60

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