トリップしてきた女の子を帰したくないhrak男子


元の世界へ帰る鍵
月に一度、新月の日の0時ぴったりにだけとある場所に現れる扉を通れば帰れる
※扉は一度壊れると二度と現れなくなる

お話の簡単な設定
トリップした名前が行き着いた先の世界でhrak男子(爆豪/轟/ホークス)に出会い、拾われ、やがてお互いに惹かれ合うが名前は帰る方法が見つかれば元の世界へ帰るつもり。そんな名前をhrak男子は───




爆豪勝己/プロヒ
「帰る方法見つかったの!」そう名前から告げられた勝己は鈍器で頭を殴られたような感覚があったのに平然を装って「へぇ、よかったな」とだけ伝えた。そして名前が帰る日、どうしても見送ってほしいと、一生のお願いだからと名前が言って聞かず、見送ることに。「勝己くん、今までありがとう」「ん」「…好き、だったよ」「過去形かよ」「ううん、今もちゃんと好き」「ああ」「勝己くんは?」「俺も好きだわ」「うん。ありがとう。それを聞けただけで十分だよ」想いを伝えても、もう一緒にはいられないのに言わずにはいられなかった。0時になって目の前に扉が現れた。「勝己くん、離れててもずっと好きだよ」泣くのを我慢して最後に告げた名前は扉に向き直ってドアノブに手を掛けた。「待てや」ドアノブに掛けた手の上に勝己の手が重なる。「勝己くん…?」「行くな」「え」「無茶言ってンのはわかっとる。でも行ってほしくねェンだよ」もう片方の手を名前の腹に回してぎゅっと抱き締める。「…帰らなきゃ」「帰んなや」「でも、」「一生のお願いっつってもダメかよ」「……ずるい。帰れないじゃん」ぽたりと名前の涙が勝己の手の甲に落ちる。2人が握っていたはずのドアノブは消えていた。


轟焦凍/プロヒ
「このまま帰れないならずっと焦凍といたいなぁ」帰る方法を探していた中でぽろりと零した言葉。それから月日が経って帰る方法を見つけた名前は焦凍に元の世界へ帰ることを告げる。「帰る…?」「うん。お母さんもお父さんも、きっとわたしを待ってる」そう言われては帰らないでほしいとは言えず気持ちをグッと堪えて見送りはさせてほしいと願い出た。そして名前が帰る日、「焦凍、今までありがとう」「ああ。俺の方こそありがとな」「もう会えなくなるね」「そうだな」午前0時、光と共に扉が現れる。数秒見つめ合って、名前は焦凍に背を向けてドアノブに手を掛けようとすると「やっぱり嫌だ…ッ!」「!?」蓋をしたはずの気持ちは抑えられず、感情のままに焦凍は扉へ炎を放つ。「焦凍!待って、扉が…!」「帰したくねェ……名前ともう会えないなんて無理だ」背後から抱き締められて動けず、どんどん燃えてなくなる扉をただ見つめた。扉が燃え尽きた頃「…どうしよう。これじゃ帰れない」と泣きながら言う名前に「帰れないなら俺とずっとこの世界で暮らそう」「…!」いつしか自分が零した言葉を告げられて、名前は諦めたように頷くしかなかった。


鷹見啓悟
帰る方法を見つけた名前は想い人───啓悟を思い浮かべる。「ごめんね、啓悟」好きな人を置いていくのは心苦しいが、帰ることを言ってはいけない気がして黙って帰ることを決意した。夜、啓悟が帰って来るより先に家を出てなるべくこの世界にいた痕跡を残さずに去ろうとしていたのに「名前」「!?」背後から聞こえた声に思っていた以上に肩が震えた。「帰る方法見つけたんですね」「どうして…」「どうしてって、黙って帰ろうとする名前が悪いんでしょ。こんなにも俺は名前が好きなのに」「…言わないで、帰れなくなる」「帰らんでいいじゃないですか」と、0時になり扉が現れた瞬間、啓悟は躊躇いもなくその扉を風きり羽根で壊す。「な、何するの!?」「俺を置いて帰るなんてそんなの許しませんけど」距離を詰められてぎゅ、と抱き締められ「お願い。俺の前からいなくならんで」そう弱々しく言われては「(わたしがいないとダメかもしれない…)」と死ぬまでこちらの世界へいることを決め「わたしも好きだよ」と告げた。しかし実は早い段階で帰る方法を知っていた啓悟はわざと名前に伝えていなかった。そんなこととは知らない名前はこの世界で啓悟と共依存の恋に落ちていく。

prev- return -next



×
「#オメガバース」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -