イイことと悪いこと


爆豪勝己
お風呂も入って、歯も磨いて、後は寝るだけだけど明日はお互いに休みだからすぐに寝るのはもったいなくて、ソファーに2人して並んで座りテレビを見ていた。でも次第に名前を睡魔が襲い、うつらうつらと船を漕ぎ出す。それを見ていた勝己がするりと片手で名前の腰を抱いて「眠いンか」と聞いてくるので「ん、」と返す。てっきり寝かせてくれるものだと思っていたのに、勝己の腰を抱く手がいやらしく腰を撫で「俺とイイことすんのとこのまま寝るの。どうする?」と耳元で、しかも低めの甘ったるい声で囁くもんだから睡魔が遠のくのがわかり、真っ赤にした顔で勝己を見て「…イイことしたい」と返したら勝己が勝ち誇ったような悪い笑みを浮かべてそのままがぶりと唇を食べられた。


轟焦凍
壁掛け時計は23時過ぎを指していた。お互いに仕事の疲れもあった為そろそろ寝ようと提案し、寝室へ。ダブルベッドに入り焦凍の方を向いて寝転んでいたら隣で上を向いて寝転んでいた焦凍が名前の方へ身体の向きを変えて、手を伸ばす。その手は名前の頬をするりと撫でた。「くすぐったい」そう笑うと焦凍が「なぁ、俺、名前と悪いことしたい」と言う。ドキッと心臓が跳ねたが知らないふりをして平然を装い「…悪いこと?」と聞き返すと頬を撫でていた手が後頭部へ当てられ、そのまま流れるようにキスをされる。「エッチしたい」唇が離された後に素直におねだりする恋人。悪いことの意味はわかっていたけれど言葉にされるとドキドキが止まらない。恥ずかしくて答えられないでいると痺れを切らした焦凍が切ない声で「ダメか?」なんて言うから、断りきれないし焦凍とのエッチするのは嫌ではないしむしろ気持ちのいいものだから断る理由なんて見つからなくて「焦凍となら悪いことしちゃおうかな」と返すとぎゅっと抱き締められて悪いことが始まる。


鷹見啓悟
窓の外からバサりと翼の音とコンコンとノック音が聞こえたのでカーテンを開くとそこには仕事を終えた啓悟の姿があり迎え入れる。「会いに来ちゃいました」「お仕事お疲れ様」「寝るところでした?」「ううん、大丈夫だよ」ぎゅうぎゅう抱き締めてくる啓悟を抱き締め返しながら言う。飲み物を入れようと啓悟から離れてキッチンへ向かい「ココアかミルクティー、どっちがいい?」棚を漁りながら問えばジャケットを脱いだ啓悟が「名前さんの好きな方で」と答えたのでココアの用意を始めるとカウンターキッチンのカウンターに頬杖を付きながら啓悟が「名前さん」と呼ぶ。なぁに、と目線を上げるとがっちり視線が絡まって、琥珀色の瞳はやけに熱を孕んでいて、ドキリと胸が鳴った。「イイことするか、悪いことするかどっちがいいです?」と先程のココアとミルクティーを問うような感覚で問い掛けてくるもんだから流れで「……悪いこと」と控えめに答えるとニィ、と口角を上げてやらしく微笑んだ啓悟が「俺と悪いこと、しましょうか」と言ってカウンターを乗り越えて名前の背後へ。「悪いことを選ぶなんて貴女もやらしい人だ」抱き締めながら耳元で甘い声で言うからピクっと肩を揺らす。「ま、イイことを選んでも結果は同じでしたけどね」そう言って舌なめずりをした啓悟にキスをされるまであと3秒。

prev- return -next



×
「#学園」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -