余裕のないhrak彼氏に愛される話
爆豪勝己
いつも余裕な勝己に対して名前は自分だけが余裕がないと思っていた。手を繋ぐ時も抱き寄せられる時もキスする時も───。そう悩んでいる時に一つ上の男子に告白された名前。もちろん断ったけれど教室に戻るとドアにもたれかかった勝己がいて「ツラ貸せや」と不機嫌でどうしたの、と問うより先に腕を掴まれて教室から連れ出され2人きりに。「誰に告られた」「…2年の、先輩」「返事は」「断った」「何て」「…彼氏いるからって」ここまでやり取りを終えると勝己は溜息をついて「ん」と掴んでいた腕を離す。それでも不機嫌な表情のままの勝己を見て名前は「焦った?」と聞いてみると「…俺だって余裕ねェ時ぐらいあンだわ」「痛っ…」名前の悩みを見透かしたようにべ、と舌を出して額にデコピンを一つ。「いつも余裕そうじゃん」「いつもはな。けど今日みてェな時は別」お前は俺のだし、と少しだけ耳を赤くして決して顔は名前の方へ向けない。それでも勝己の大きな手のひらは名前の頭をぐしゃぐしゃに撫でて、そこからは愛情が感じられた一方でいつもの余裕さはあまり感じ取れなかった。
鷹見啓悟
友達以上恋人未満な関係の2人。ホークスは関係を発展させたいが名前は鈍感なのかホークスのアピールに気付いていない。早く手に入れたいけどゆっくり時間を掛けて口説き落とすのもいいと様子を伺いつつアピールを続けていたある日、仕事を定時で終えたホークスが会えたらいいな程度で名前の勤める会社に行き上空から名前を捜しているとビルから名前と男が仲良さげに話しながら出て来たのを見てホークスは我慢出来ずにそのまま名前を空からかっ攫う。「ホークス!?」「ちょっと黙って」普段と違う様子のホークスに名前は押し黙る。降ろされた先は知らないビルの屋上で名前がどうしたのと問う前にホークスの両手が名前の頬を包んで、こつんと額がぶつかる。近過ぎる距離に名前は顔を赤くして引こうとするがそれをホークスが許すはずもなく「ずーっとアピールしてたのに全然気付いてくれん。俺名前ちゃんが欲しくて堪らんと。早く俺んもんになって」余裕なんてない必死な声、表情に嫌でも理解した。「ホークスのものになりたい」そう言えばホークスはハッと顔を上げた後崩れるように名前を抱き締めて「…嬉しか。ようやくや」と呟いた。
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