嫉妬するhrak彼氏の話
爆豪勝己
授業で模擬戦中、名前が足首を捻挫した。念の為リカバリーガールのところへ行くと告げると名前と同チームだった電気が気にして一緒に行くと言い出したがそれを「俺が行く」という勝己の声が制した。クラス中がザワついたが勝己に腕を引かれてそのまま保健室へ向かう。道中、沈黙が流れる中「着いてきてくれてありがとう。でも上鳴くん、気遣ってくれたのにちょっと申し訳ないな」と言うと「アホ面の話すんなや」と引かれる腕に力がこもったのがわかった。怒ってるの?と聞けば「うっせ」と悪態をついた後「俺以外の男の肩借りんの禁止」と急に歩くのを止めて腕を引いて抱き締めてくるから捻挫した足首がズキッと痛む。けれどそんなことよりも勝己が珍しく嫉妬していることに驚いて「ヤキモチ?」とわざと聞いてやれば「黙れよ」と抱き締める力が強くなる。「でもヒーロー科だし成り行きで仕方ないこともあるでしょ、お互いに」と可愛くないことを言えば「テメェが良くても俺が嫌なんだわ」なんて言うから照れてしまってそれ以上何も言えなくなる。その後ここが廊下のど真ん中だと言うことを思い出し、2人で顔を赤くしてリカバリーガールの元へ向かった。
轟焦凍
この日はお茶子、梅雨と3人で遊ぶ約束をしていたので張り切ってお洒落をした。久しぶりに履くスカートにヒール、久しぶりに施したナチュラルメイク。全てが名前の心を踊らせた。待ち合わせ時間より少し早いが談話スペースへ向かうとそこには偶然か、焦凍がいた。「その格好…」目を見開いて言うのでお茶子らと遊ぶから目いっぱいお洒落したことを伝えたが焦凍は何も言わないので、どこか変なのか、似合ってないのかと不安になる。「変、かな…?」「いや、違ぇ。そういう訳じゃ、」やけに歯切れの悪い焦凍を不思議に思い、一歩近付くと手を掴まれて抱き締められる。焦凍は名前の肩に顔をぐりぐり押し付けて「似合いすぎててやべぇ。他の男に攫われちまわないか心配になる」と素直にヤキモチを口にした。それが嬉しくて「大丈夫。焦凍くんだけだよ」と背中を撫でながら言えば「遊ぶのは邪魔はしねぇから、せめて帰りは迎えに行く」と顔を上げて言う。付き合ってるのバレちゃうかも、と言うと「俺はバレても構わねぇ」と頬にキスを一つ。これはきっと折れないなと感じた名前が折れて帰りの時間を連絡することになった。焦凍は満足そうに、でもまだどこか不安げに友達と出掛けて行く名前を見送った。
鷹見啓悟
超人気ヒーローと一般人OLカップルは生活リズムのズレや会う時間が取れないことが多い。わかりきっていたけれど寂しさには抗えなくて「あーーー!出勤させたくない!」と腕で、脚で、翼で小柄な名前を抱き締めて離さないのはNo.2ヒーロー・ホークス。この日はホークスは休みだが名前は出勤日で前日に名前の家でお泊まりをした後だった。「何で仕事なんかあると!?そこには男もおるんやろ!?行かせたくなか!」と顔も知らない男を想像して勝手に嫉妬してごねるNo.2。「でも急には休めないから。ね?」と自分も本当は行きたくないのに心を鬼にして諭すが効果はないようで。「だってこんなに可愛い名前ちゃん、他ん男が放っておくはずなかばい!俺が知らんとこで口説かれたりしとーと!?」「してないよ」「嘘や!もうこんまま離したくなか!俺が養うけん仕事辞めん!?」「流石にそれは無理…」いつまでも子どものように駄々を捏ねて腕を解かないホークスに少し呆れつつも、嫉妬は嬉しくて。「ホークスは本当ヤキモチ妬きさんだねぇ」と頭を撫でると「だって名前ちゃんこと愛しとーもん」と拗ねたように返事をする。「出来たらだけど、半休取って来ようかな」と最終手段を提案すると「ま!?終わったら連絡して!最速で迎えに行くけん!バレんようにもする!」ガバッと顔を上げて目を輝かせるからどれだけ嫉妬されても憎めないなぁと思いながらご機嫌を取り戻したホークスに見送られ、出勤する。
prev- return -next