帰したいhrak彼氏vs帰りたくない女の子の攻防


爆豪勝己
午前中からショッピングモールへ行ってたくさんデートした帰り道。20時を回った頃手を繋いで着いた先は駅の改札口。実家暮らしの名前や名前の両親のことを考え「またな」と繋いでいた手を離した。まだ帰りたくない名前は「今日はおしまい?」と粘るが勝己は首を振って「さっさと帰れ。親心配させんな」と言う。お互いにいい歳なのに20時解散なことが気に食わない名前だが駄々をこねても仕方ないと唇をきゅっと噛んでそのまま改札へ向かおうとする。ICカードが改札機に触れる直前、その手首を掴まれて引っ張られる。「!?」「……ンな顔見たら帰したくなくなンだろ」とちょっぴり耳を赤くする勝己。「…帰りたくないよ」期待を込めてそう言えば「親に友達ン家泊まるって連絡入れとけ」と言い、一度離れた手が繋ぎ直される。「俺ン家かホテルか、選べや」と選択肢を渡されたので即答で勝己の家と答えると繋いだ手に更に力がこもって、「…覚悟しとけよ」と低い声で言うのでドキッとした。


轟焦凍
個室居酒屋で17時頃から飲んでいた2人。スマホで時間を確認すると20時前。「もう20時かぁ」好きな人といる時間は過ぎるのが早い。「もうそんな時間か」と焦凍は〆の雑炊をかきこんだ。名前もジョッキに残ったハイボールを飲み干した。「さて、帰るか」「えっ、もう?」丁寧に手を合わせてご馳走様をした焦凍は立ち上がってハンガーに掛けていたコートを取った。「あんまり遅くなったら悪いだろ」名前のコートを手渡しながら言うので考えてくれてる嬉しさともうお別れかという寂しさ。勝つのはやはり後者で。「まだ帰りたくないって言ったら?」「……」「シラフではないけど、酔ってはないよ?ちゃんと自分の意思で言ってる」上目遣いで追い討ちを掛けるように言えば焦凍は溜息をついた。「……はぁ、ダメだな。名前の両親に堅実なところを見せようと思ったのに」「あっ…!」手首を掴まれて引かれ、机を挟んで顔と顔がくっつきそうな距離まで近付いた。「誘った名前が悪い」と焦凍の目は熱く滾っていて。お会計を済ませるとそのまま2人でホテル街へと消えて行った。


鷹見啓悟
啓悟の家でデートを楽しんでいたが時間はもう20時を過ぎていた。「名前さん、そろそろ支度してください。送りますよ」といそいそと身支度をし始める啓悟を不満に思った名前は「やだ。帰んない」と唇をとんがらせて言った。「こーら。わがまま言わないの」優しい啓悟の声とふわりと撫でられる髪。心地良いから余計に離れたくなくて。「今日は帰りたくないの。だめ?」こてんと小首を傾げて上目遣いで言えば啓悟は溜息をついて片手で両目を覆った。「はー……名前さんの両親には誠実な男と思われたくて頑張ってた俺ん努力ば返してほしか」するり、とその手が離れた時には啓悟の目は鋭く獲物を狙うような目付きになっていて思わずドキリと心臓が跳ねる。「10秒あげるんで、その間に友達の家泊まるでも適当な理由連絡しといてください」と言われ、ゆっくりカウントされる数字を聞きながら急いでLINEを起動させ母へ文字を打つ。送信ボタンをタップしたと同時にスマホは啓悟によって取り上げられ、「はい、時間切れ」名前の視界には一面啓悟が映った後ブラックアウトした。

prev- return -next



×
「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -