ジェンダーリビールをしてみた話


爆豪勝己
勝己が帰宅するとどうやら名前は入浴中。ただいまとだけ声を掛けるとドア越しにおかえりの声。それだけ聞ければ満足とリビングへ行くとテーブルの上にプレゼントボックスが。「…あ?」ボックスの横には『BOYなら男の子の服、GIRLなら女の子の服が入ってるよ』と書かれていた。そういえば今日の妊婦健診で赤ちゃんの性別がわかるかもと名前が言っていたことを思い出し柄にもなく緊張しながら箱を開け、中身を見て一言。「……ハッ、俺より強く産まれて来いや」勝己は蓋を置いて入浴中の名前の元へ。無言でドアを開けると名前は驚いていたがそんなのお構い無しに自分の服が濡れることも厭わず抱き締めた。箱の中には男の子用の可愛らしいロンパースとスタイが入っていた。ジェンダーリービルの瞬間を隠しカメラで撮影していたことは名前だけの秘密。勝己に知られるときっと怒るだろうから。


轟焦凍
名前からLINEで『今日は定時で帰れる?』と来ていたので定時ピッタリに仕事を切り上げて帰宅した焦凍。「ただいま」「おかえり。ね、手洗ってきて。そしたらいいものあるよ」と言うのでさっさと手を洗ってリビングに行くとそこには名前の手作りだと思われる小さなホールケーキ。「今日誕生日だったか?」「違うよ。いいから食べてみて」「?」普段通りの天然っぷりを発揮しながらも名前に言われるがまま持たされたフォークでケーキを切ろうとすると、スポンジはすんなりと割れてその中に『GIRL』と書かれていた。「がーる?」「そ。女の子だったよ」「え……まさか、」「うん、赤ちゃん。女の子だって」名前が愛おしそうに腹を撫でながら言えば焦凍もそっとその手の上に己の手を重ねた。「女の子、か…」「わたしたち女の子のパパとママになるんだね」「ああ。嬉しい」数日前に健診に行きそこで性別がわかったらしい。赤ちゃんが出来ただけでも嬉しいのに性別がわかると更に嬉しいだなんて、これ以上にない幸せを噛み締めながらケーキを堪能した。「ケーキうめぇ」「いっぱい食べてね」


鷹見啓悟
帰宅するなり部屋が可愛らしくガーランドや今までのエコー写真、自分たちのツーショット写真で装飾されていてその中には大きな黒い風船を持った名前。風船には『BOY?orGIRL?』と書かれている。「わー、部屋すごいことなっとる」「すごいでしょ」飾り付けをした当の本人は満足そうだ。「今日、赤ちゃんの性別わかったんだよ」「マジ!?」「マジ。風船の中に答えがあるよ」「何でそげん焦らすと?」「その方が喜びも倍じゃない?啓悟のその剛翼で割ってよ」そう言われ1羽の剛翼がヒュッと一瞬で風船を割ると中からピンクの紙吹雪が2人を包む。「ピンク……女の子!?」「ぴんぽん」答えがわかるや否や啓悟は名前をぎゅっと抱き締めた。「嬉しい、めちゃくちゃ嬉しい。俺……女の子んパパ?」「そうだよ」「あー……マジで嬉しかぁ。今からサイドキックたちに自慢する」「ふふふ。せっかちなんだから」「我慢が嫌いなんですー。この喜びを早く伝えんと」なんて言いながら抱き締める腕を解く気はなくて。「啓悟?啓悟さん?そろそろ離して」「無理。今みっともない顔しとるけん見せられん」「もうパパったら」そう言ってしばらく啓悟は名前を離さずむぎゅむぎゅした。

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