hrak彼氏の料理レベルの話



爆豪勝己
「すご…」目の前に並べられたシーザーサラダ、ローストビーフ、グラタン、ミネストローネなどレストランに来たのかと思うぐらいの料理は勝己の手作りだ。事の発端は名前が勝己の手料理を食べたいと言い出したこと。「流石かっちゃん」「ッたりめェだわ。俺を誰だと思ってンだ」思わず彼の愛称を呼べばとても満足そうな顔で腕を組んでいた。「食べてもいーい?」「1ミリも残すなよ」ひと口、ミネストローネを口に含めばトマトの甘みと酸味、他の野菜の旨味がじゅわっと広がりほっぺたが落ちそうな、三ツ星レストランにさえ引けを取らない美味しさに「美味しいっ!」と目を輝かせて言った。完璧主義の勝己は料理まで天才なのかと思わせられる。「…そりゃ、お前の為に作ったンだからな」「…!」ボソッと消えそうな声で呟いた言葉に名前は心ごと撃ち落とされた気がした。


轟焦凍
焦凍って料理出来るの?という何気ない一言を放つと「姉さんがやってるのはたまに見てた」と言うので作ってもらうことに。出来上がった料理は焦凍の好物である温かくない蕎麦だった。「お蕎麦」「蕎麦だ」「打ったの?」「これを使った」「ああ」流水麺と書かれた袋を見て納得する名前。蕎麦の横に鎮座する葱はパック売りの、わさびはチューブの。けれどせっかく頑張って作ってくれたので頂く以外の選択肢はない。「いただきます」と挨拶をしてつゆにつけて蕎麦を啜る。水で濯ぐだけで出来るそれは普通に美味しかった。「ふふ、美味しい」「そうか、良かった」名前が美味しいと笑ったことが嬉しくて焦凍も自然と表情が緩む。これが手料理かどうかはわからないが初めて挑むであろう料理に頑張って挑戦してくれた気持ちが何より嬉しかった。ずるずると蕎麦を啜り続けていると焦凍もいただきますと手を合わせて好物を啜る。「美味い」「うん、美味しいね」やり方や形がどうであれ美味しいものを2人で食べることが何より幸せだと、そう思った。


鷹見啓悟
体調を崩しているので会う予定をキャンセルしたいと連絡を入れると15分もしないうちにすっ飛んで来た啓悟。体調が悪い恋人を放っておけない、看病すると言って聞かない多忙なNo.2ヒーローに名前が根負けし看病してもらうことに。掃除も洗濯もこなしていたが唯一料理はダメだったらしい。「…すみません。お粥作ろうとしたんですが」一人用の土鍋の中には焦げた米。火加減等諸々間違えたらしい。「体調悪い時に約立たずですみません」「掃除も洗濯もしてくれたし誰だって得意不得意はあるよ」それに自分の為に苦手な料理に挑戦してくれたことが何より嬉しかったと伝えれば啓悟は片手で顔を覆った。「啓悟くん?」「今、見らんで。みっともない顔しとるけん…」そんな彼が愛おしくてそっと顔を覆う手を握って退けてやる。「わたしの為にありがとう。今度教えてあげるから一緒に作ってみよう?」「…そげんこと言われたら、我慢出来ん」とキスをしようと顔を近付けて来たので「風邪移しちゃうから」と言えば「あ"ー……そうやった…!」と項垂れたがそれは一瞬で。「いや。我慢せん。名前さんからの風邪なら移ってもいい」「ちょ…っ」と我慢も苦手な啓悟にキスをされた。我慢も料理も苦手な啓悟が大好きだ、と改めて思った名前だった。

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