鬼滅 | ナノ


※善逸がヤンデレ風味






「名前ちゃん、本当に辞めないの?」
「……うん」

夜。藤の花の家紋の家で療養中、善逸は名前が寝泊まりする部屋を訪れた。

「そんなに、怪我、したのに…?」
「それでも、だよ」

名前は包帯でぐるぐる巻きになった腕で愛刀の手入れをしていた。痛々しい姿を見て善逸は思わず目を細める。
善逸と名前は最終選別の同期であり、偶然同じ任務をこなしたことから行動を共にしていた。容姿端麗で心優しい少女でありながら鬼狩りとしての実力も伴っている彼女に善逸が惚れるのは一瞬だった。そんな名前も泣き虫でヘタレだがここぞという時にものすごく頼りになる彼に惹かれていた。

「俺がどれだけ頼んでも、辞めない?」
「鬼殺隊に入ったのはわたしの意思だから」
「でも、そんな痛々しい名前ちゃんの姿を見るのは……苦しい」

弱々しく言葉を吐く善逸に名前の愛刀を研ぐ手がぴたりと止まる。そしてカチン、と刀が鞘に納まる音がして彼女の瞳が今にも泣きそうな善逸の姿を捉えた。

「ごめんね」
「ッ……」

その謝罪は決して名前が鬼殺隊を辞めることないという意思の表れだ。それでも善逸は引き下がりたくはなくて拳を強く握った。

「お、俺が幸せにする…!」
「え…?」
「俺が名前ちゃんを幸せにする!俺と結婚してくれたらこんな怪我することなく平和に暮らしていけるようにする!名前ちゃんの分も俺が鬼を狩る!だから…ッ」

早口で捲し立てる善逸の言葉を遮るように名前はふわっと彼を抱き締めた。

「ありがとう。善逸の気持ちはとっても嬉しい。でも……わたしには鬼を狩らなきゃいけない理由がある。怪我をしても、身体のどこかを欠損しても。命ある限りは戦い続けたい」

嘘のない、真っ直ぐな名前の意思に善逸は言葉を詰まらせた。絶望を宿した目で彼女と視線を交差させれば名前は切なげに微笑む。そこでぷつんと音がして、気がついた時には善逸は名前を冷たい畳の上に押し倒していた。

「ぜ、善逸…!?」
「嫌なんだ……これ以上名前ちゃんが傷付くのを見るのは」
「きゃッ……ちょ、ちょっと急に何するの!?やめてよ…!」

名前も自分も怪我をしているのに関わらず、善逸は名前の服を無理やり剥ぎ取り胸を露出させた。外の空気に触れた乳首はきゅっと大きく、硬くなっている。

「鬼殺隊を辞めないなら、辞める理由を作ればいいんだ…!そうだ、子どもが出来れば…!」
「や、やめて……いぁッ?!」

がぶり、と噛み付く勢いで乳首を貪る善逸。すっかり硬いそれを吸ったり舌で転がしたりすればビクビクと身体が反応して震えた。名前は抵抗しようと手のひらで善逸の肩を押してみるも、ビクともしない。

「ああッ、やめ、てッ……善、逸ぅ…!」
「嫌だ、辞めない…!」
「んんんッ…」

乳首から口が離れたかと思えば、今度は唇同士が重なる。最初は唇同士を押し付け合うだけのキスだったが次第に善逸の舌が名前の唇を割って口内に侵入し、深いものになる。

「ん、はッ……んう、」
「ン……ふ、」

キスの最中、善逸の右手がするりと下へ下がりズボンの中へと侵入させ、目指すところは一つ。下着の上から陰核を摘んでやれば先程よりもビクン、と身体をうねらせる名前。身体が跳ねたことにより唇が離れてしまう。

「ぷあッ……!」
「大丈夫、痛くないようにするから」
「やだッ……わたしは、まだ…!」
「傷付くのは俺だけで十分なんだよ」
「あぁあッ!」

中指で下着を引っ掛けて、人差し指で陰核を直接弄る。既にその下の穴からは愛液が溢れていてぬるぬるとした感覚と善逸の太い指が動くことでおかしくなりそうだった。

「あっあっあっ、善逸、だめぇ…!」
「お願いだから俺の言うこと聞いて」
「はぁッ、あッ、あーッ!」
「気持ちいい?ねぇ、名前ちゃん」

名前の言葉なんてまるで届いていない善逸はうっとりしながら責め立てる。彼女が果てる寸前で善逸はぴたりと指の動きを止めた。

「ッ…?」
「名前ちゃん、大好きだよ」
「ん、」

視線が再度絡んでからキスを落とす。その間にズボンと下着を脱がせて部屋の隅へと放り投げた。

「善逸……お願い、これ以上は…」
「やめないよ?名前ちゃんもイキたいでしょ?」
「わ、たしは…!」
「ふふふ、名前ちゃんかわいい」
「あ"ッ…!?」

ぐ、とナカに善逸の指が入ってくるのがわかる。初めて何かを受け入れるソコは濡れていても、指一本でも、ぎゅうぎゅうだった。

「名前ちゃんのナカ、狭いね」
「んん、はぅ…!」
「ねぇ、俺と結婚して?鬼狩りなんて辞めようよ。毎日鰻でも寿司でも好きな物食べさせてあげるよ。名前ちゃんは綺麗なままでいてほしいんだ」

狂気とも取れる善逸の言葉に名前は肯定も否定も出来なかった。彼を好きだと言う気持ちも本物、鬼殺隊士として鬼に殺された身内の仇を討ちたいのも本物。好意を抱く善逸に抱かれる喜びと絶望。狂ったように求められる悦びと恐怖。名前はギリ、と奥歯を噛み締めた。

「ねぇ、名前ちゃん」
「んんんッ、う、あぁッ……」
「どうしても辞めないの?」
「く、あッ、ああ、んぁあッ…!」

言葉と同時に指も小刻みにピストンして名前を攻めていく善逸。ぐちゃ、ぴちゃ、とやらしい水音が響いて耳を閉ざしたくなった。

「辞めないなら、今すぐ俺の子を孕んで?」
「あ"ッ、ぃ、痛ッ、あ"あ"あ"ッ!」
「孕んでよ。孕めよ……ね?」
「んぐッ…あ、あぁああッ、」

指をもう一本増やして、ナカではそれぞれの指をバラバラに動かしながら容赦なく攻める。名前はもうただ喘ぐしか出来ないでいた。全裸で善逸の指を咥えながら喘ぐその姿に善逸は気分が高ぶっていた。もう怪我をしていることなんて関係ない。

「名前ちゃん、綺麗だ……」
「く、ぁあ、はッ、あッあッ…!」
「1回イッたら、俺ので突いてあげるからね」

優しく、冷たく、名前の耳元で囁く。腕の包帯がはらりと解けて先日の鬼との戦いで負った傷が包帯の隙間から見える。

「名前ちゃん、愛してる」

じわりと血の滲む傷口にそっと口付けをした。


2020 1115


mae tugi 6 / 6

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