例えば髪を耳にかける時、食堂で紅茶を飲んでいる時、甲板で本のページを捲っている時、腹をすかせたオレをみて小さく笑った時、そのあと料理を作ってくれてるときの立ち姿とか。彼女はそれら、いや、その他にもたくさんあるが、ふとした時の仕草がきらきらと輝いて見える。 なぜ彼女だけそう見えるのか、そんなの嫌というほど知ってる。けどオレはそこまで積極的じゃないし、告白は未だにしてない。
「情けねえよなあ……」
例えば眠そうに開かれた目を開ける為に擦っている時、敵を倒す為に剣を振っている時、大量の料理を美味しそうに頬張っている時、優しい目をして笑った時、甲板で空を見ている時の横顔とか。リッドは何をしていてもきらきらしている。 リッドを見るたびに心臓がどくどくしていて、わたしも女の子だったんだなあって思うようになった。笑って喋れるだけで嬉しいから、告白なんて大層なものはしていない。
「なんで気付いてくれないかな、リッド…」
「あ、リッド」
振り向くとそこにいたのはついさっき考えていた少女。笑顔を浮かべながらオレのところまで来る。このくらいの時間に袋を持って帰ってくるってことは大方あれだろうな。
「ん?よお。パニールの手伝いか?」
帰って来たらちょうどそこにリッドがいた。わたしがリッドの所まで足を進めると、歩いていたリッドは微笑みながらそこで待っていてくれた。
「うん、今日の夕食の材料調達してきたんだ。今日はお肉だよ」
よかったね、リッド、とさっきより笑みを深くして持っていた袋を胸の辺りまで掲げる。その仕草も、いつものようにきらきらして見えた。
「よっしゃ!ラッキー!!楽しみだなあー!」
夕食にお肉がでる、とつたえると途端にほころぶ顔。やっぱりリッドの笑顔はきらきらしてるなあ。その証拠に、また心臓がどくどくしている。
きらきらを掴むのだ
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