【さやか様】

この度は、xxxfor,十万打企画に参加頂き、ありがとうございました!
リクエストは、土方・幕末・甘でした。

ふくちょの事を考えて真っ先に出た単語が「かろうし」でした…orz切腹。
いつも何かとお忙しい副長様を心配した幹部達が挙って撃沈する中、ヒロインちゃんのみがふくちょの休息を取らせれる唯一の存在。それって素敵だなぁ…と思っていたらこんなお話が出来ました。
甘と言うより、ほのぼの色が強くなってしまった気がしないでもないですが、ここはいつものわたしですよ。砂糖の加減が迷子って言う。
でも!みんなでワイワイ日常を綴るのが好きなわたしに取って、このお話が完成した時満足感がやばかったです。
いつまで立っても出てこないヒロインちゃんを角から見守っていた幹部達の様子もぶち込みたかったのですが、尺的に無理でしたすみません。なので下記に少しだけ綴ります。新選組の為に身を粉にして働くふくちょ、凄く格好良いです!書いていて凄く楽しかったです!あと、わたしの土方さんだったら何でも嬉しいとのお言葉死ぬまで忘れません!よかったら貰ってやってください!

あと、オマケの後、止む終えず削った裏設定をいくつか紹介します。

【一方その頃(千鶴視点)】

「おい、これ…中でおっ始まってねえよな?大丈夫だよな?」
「だ、大丈夫だろ!流石の土方さんでもそこまで節操なくないと思うし…」
「いや、わかんねぇぞ平助…?疲れてる時こそ人間本能っつーもんが出ちまうもんなんだよ」
「左之。あんたと副長を一緒にするな」
「はいはい。千鶴ちゃんは耳塞いでようね」
「え?え?」

沖田さんに促され両耳に手を宛てた私は、皆さんが話している後ろで未だ土方さんの部屋から姿を現さないなまえちゃんを待っていた。
彼女が部屋に消えて行ってから大分経つけれど、皆さんは解散するどころか先ほどよりずっと前のめりになっている気がします。
あの斎藤さんまで、一番前を陣取り熱い視線を送る中沖田さんだけは「ああ、まだかなぁ」なんて楽しそうに頭の後ろで腕を組んでいた。

でも、これだけ姿を現さないって事はやっぱりなまえちゃんは土方さんの休息を無事に確保できたと言う事なんじゃないでしょうか。やっぱり思い人の言葉には、何か不思議な力がある様な気がしてなりません。

私も嬉しくなって来てしまって、むふ、と笑いを溢した時だった。
今までびくともしなかった部屋の襖が、すぱんと綺麗に開いたのを見ました。

「総司ぃっっ!!!!!何処に居やがる!!!」

「あはは、きたきた」
「総司…あんたはまた何をしたのだ」
「え?別に?お茶の濃さをいつもより少しだけ増しておいただけだよ。ほら、疲れてる時には味の濃いものって言うじゃない」
「……お、おい。こっち見たぞ、」

「てめぇ等…、」

背中に見えるほどの黒い気を纏った土方さんが現れたと同時に、呆れ顔のなまえちゃんが部屋から続いて出てくるのが見えました。
そしていつの間にか私の隣に居た沖田さんの姿は、遠くの方にあり幹部の方々も散る様に逃げていく。
勿論、沖田さんを標的にした土方さんは一直線に私の隣を駆け抜けて…まるで何日も寝ていない人の動きではありえない位の速さで通り抜けていってしまった。

残されたのは、真緑のお茶が入った湯飲みを持ったなまえちゃんと口を開けて立ち尽くす私のみ。

「千鶴さん、そろそろ夕餉の支度をしましょうか」
「あ、え、っと。はい、…あの、上手く行ったんですか?」
「うん。多分」
「多分、ですか…」
「それにきっと、夕餉は久し振りに揃って取れそうですよ」
「え!?本当ですかっ!?」

にこりと笑ったなまえちゃんは、凄く嬉しそうに土方さんが走っていった廊下を見つめながらこう言った。

「本気になった土方さんに掛かれば、あれくらいの仕事どうって事ないんですもの」

その横顔は、さっき擦れ違い様に見えた土方さんの横顔と少し似ていた。


-END-



土方さんの前では少しだけ、照れ屋なヒロインちゃんと、彼女に骨抜きになっているけれど多忙な日々を送っている土方さんのお話でした!
きっと仕事が終わったその日は、一日傍に置いて、沢山愛でてくれるんでしょうね!
さやか様!よかったら受け取ってくださいね!

では改めて企画参加ありがとうございました!またいつでも遊びに来てください!お待ちしております!


2013.04.12 shi


prev next

bkm

戻る

戻る