旅の途中。
川辺で顔を洗ったときのことだった。


「リンク、髪伸びたねえ」
「え、…そう?」


なまえに言われて、普段は帽子に隠れて見えない後ろ髪を指でいじる。
自分ではどうにもわからない。

「普段、邪魔にならない?」
「うーん。ああでも帽子にしまいにくいんだよな…」

いっそ切ってしまおうかと思ったが、あいにくここには切るための道具がなかった。

「そうだ。リンク、ちょっと後ろ向いて?」
「ん。なに?」
「じっとしててね」

言われた通り後ろ向きに座ると、なまえが髪の毛を触りだした。
いったい何してるんだ?

「……………はい、できた!」
「?……あ。」

首回りが涼しくなって、もう一度後ろ髪に触れるとそれはひとつにくくられていた。

「ありがとうなまえ」
「手櫛だからあんまりきれいじゃないけどね」

苦笑で言われ、川を覗きこむ。
穏やかな水面に自分の顔が映った。

「そうかなあ。すっごくきれいにできてると思うけど…」
「そ?ならよかった」

なまえを見ると微笑まれたので笑みを返す。

「ね、また縛ってよ」
「しょうがないなー」

クスクスと笑うなまえに、しばらく帽子はかぶらなくていいかな、なんて思った。









きみのためにできること










(ナビィたち、すっごく居づらいヨ…)(ブルルッ)




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露さまお待たせしました!
時か黄昏を、ということだったので時の勇者でほのぼの甘めにしてみました!
時の勇者はゲームでも髪の毛を帽子にしまってるので…!

リクエストありがとうございました!






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