世界が平和になってから、少しの日がたった。 魔物は数を少なくし、旅に出ていたリンクも元の牧童生活に戻っている。 泉でエポナを洗っているリンクの背中を、草の上に座って眺めた。 目を細めてしまうようなおだやかな空気が流れている。 そういえばリンクが旅に出る前はよくエポナに乗せてもらって散歩をしたなあ。 一人では馬に乗れないから、リンクが上から引っ張ってくれて。 ……エポナを洗い終えたら誘ってみようかな。 「なまえ!」 「!!」 急に名前を呼ばれるものだから驚いた。 リンクを見れば、こっちに近付いてきているところだった。 私は立ち上がって服についた土や草を払う。 「なに?」 「なまえ、これからの予定は?」 「?特にないけど…」 「じゃあさ!」 エポナがリンクの後ろでブルルと鳴く。 「エポナに乗って散歩に行かないか?ほら、俺が旅する前はよく行ってただろ?」 「!」 ホントに驚いた。 リンクも同じことを考えてたんだ。 「なまえ…ってうわ!?」 私はなんだか無性に嬉しくなってリンクに抱き着いてしまった。 突然のことなのに、リンクはちゃんと受けとめてくれた。 「行く!行きたい!」 「おま…!ああもう…」 照れ隠しなのか、頭をガシガシとかく。 そんな仕草にでさえ、私は幸せを感じるのだ。 アンダンテ (ほら、行くぞ)(うん!) ――――――――――――――――――― アンダンテ…音楽表記で「歩くような早さで」の意味。 詩さまお待たせしました! ほのぼの甘ということで! なんだか糖度高めになってしまいました…。 リクエストありがとうございました! ←→ |