ああもう今日は厄日か。
なまえは離れたところにいるリンクに深くため息をついた。
まあ人に囲まれているリンクには当然届かないわけなんだけれども。

場所は城下町のオープンカフェ。
リンクの周りに人だかりができていて、かろうじてちょっと頭が見える状況。
いっくら勇者とはいえ、いつもならこんなことにはならないんだけど…。
まあ百歩譲って、なかなか会えない恋人とのデートが邪魔されたのは許そう。


し か し だ。


例え千歩譲ったとしても、その人だかりが女の子ばかりだというのは許せない。
さっきから聞こえる黄色い声が不愉快で仕方がないのだ。

ここからはリンクの表情がわからないが、お人好しな性格だからみんなに笑顔を振りまいていることだろう。

「はあ…」

もう一度ため息をつく。
するとリンクが人をかき分けて戻ってきた。

「ごめんなまえ!」
「なにが」
「いや、ひとりにさせたから…」
「べつに!」

ああ私の意地っ張り。
でも私だってリンクのためにお化粧もいつもより力を入れたし、お洋服だってかわいいのを選んできたのに!
ホントに鈍感ね!

私が立ち上がってカフェから出ようとすると、リンクも慌てた様子でついてきた。

「なあなまえ」
「………」
「ホントに悪かったって」

リンクの沈んだ声音に、なんだか私が悪いことをした気になる。

「…………」

私はピタリと立ち止まると、勢いよく振り返りリンクの顔に指を突きつけた。


「っ…デ、デレデレしないでよ!」


(しまった…!)
ホントはもう怒ってないからと言うつもりだったのに。
リンクは驚いた表情のまま動かない。
気まずくなって手を引っ込めようとしたらリンクにつかまれた。
そしてとびっきりの笑顔で、


「しないよ。俺にはなまえだけ」


そんなことを言うから顔があつい。

「ほら、行こう?」
「……仕方ないなあ」










こっち向いてBaby










(手のぬくもりが心地いいから)(しょうがないから許してあげる!)




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みゃっちーさま遅くなってすみません!
しかもギャグがログアウトしてしまっ…た…。
駄文で申し訳ないです…!
ご参加ありがとうございました!






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