カカリコ村も、城下町ほどとまではいかないが少し活気を取り戻してきている。
そんな中迷わずにある場所に足を向けた。

「あれ、」

なまえの目の前にあるもの。
口を頑丈に閉じられてはいるが、それは間違いなくあの井戸だ。
通りがかりの村人に聞けば、なにやらゼルダ…ではなくシークが影のような魔物にやられた現場を目撃した人がいるらしく、井戸を閉じてしまったのだという。
しかしご丁寧に木の柱は直されている。

(もう使わないのなら直さなくてもいいんじゃ…?)

苦笑すると、奥の風車小屋から少し懐かしい音楽が聞こえてきた。
オルゴールの優しい音と、荒々しい曲調は何故か違和感を感じさせない。
最初にその音楽を聞いてからまだ年も越えないというのに、懐かしく思うなんて末期だなあ。
辺りを見渡し、墓地も見に行こうかと思ったが、闇の神殿への入り口は以前ゼルダが封じていたのだと思い出して止めた。
もうこの村は大丈夫だろう。
そう判断し、再びハイラル平原に向かった。




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