何が悪いって、すべてはあいつが勇者だってことだと思うわけだ。
あいつが世界を救った勇者じゃなければ城や町に出入りすることもないし、俺に会いに来ることもないだろうに。
というかなんで俺がこんな目に合わなきゃならないのか誰か10文字以内で説明してくれ!!
「それは『俺が君を愛してるから』だよ」
「うるせえバカちょうど10文字で言いやがって!!」
ギリリと手が音をたてて少し痛いが、力を緩めるわけにはいかなかった。
そんな俺とは対称的にリンクはなおも余裕そうな顔で続ける。
「なまえ、いつまでこうしてるわけ?」
「お前の、せいだろうが!」
「ええー?」
ぐ、と少し力が強くなった。
どう考えてもこいつは楽しんでいる。
逆に俺は貞操の危機だというのに。
「いい加減はなせっての!!」
「だってせっかくのチャンスだよ?部屋には他に誰もいないし…」
「お前にとってはチャンスでも俺にとってはかなりピンチだっつの!!」
ああまずい叫んでたら息が切れてきた。
リンクがにやにや笑いながら顔を近付けてくる。
顔を思いっきり引きたかったがそうしたら押し負けてしまう。
「いい加減あきらめて俺のものになっちゃえばいいのに」
「ざ、けんなああああああっ!!!」
丁重にお断りします
(なまえ様どうされました!?)(あーあ…)(助かった…!)