「なまえ子、もう遅いから休みな」
「はい。リンクさま、すみません。先に休ませていただきます」
「うん、おやすみ」
なまえ子が部屋を出て行き、あらためて窓を見ると外は真っ暗だった。
「今日も泊まるか?」
「うん」
「ならセバスチャンに部屋を用意してもらわなきゃな」
「俺行ってくるよ」
リンクは少し嬉しそうにぱたぱたと駆けて行った。
リンクが泊まるのは頻繁にあることだから何も問題ないだろう。
「…………」
知らず、小さくため息をつく。
なんだか最近リンクといると疲れる気がする。
いやあのテンションにはいつも疲れさせられているが、そういうものではなく精神的なそれだ。
本当に、どうしたものか。
「なまえ!」
「っ!!」
後ろから呼ばれて振り向けば、リンクが不思議そうな顔をしていた。
「疲れてる?」
「え、」
「そういう顔してる」
リンクの言葉に顔に手を当てる。
セバスチャンやなまえ子も気付かなかったのによく分かったな…。
「そういうときは早く寝るに限る!」
「うわあっ?!」
リンクは俺を抱き上げると、勝手知ったふうに寝室へと向かう。
「ちょっ、おま…!」
慌てている間にベッドに下ろされ、上着を脱がされてシーツを被せられた。
「リンク…!」
「ん、」
抗議しようとするとリンクはぽんぽんと優しく頭を撫でてくる。
そんなことをされては口を開く気も失せ、目を閉じて眠気を待つことしか出来ない。
リンクは静かに立ち上がると、
「おやすみ、なまえ」
頭を撫で、そう言って寝室を出て行った。
「………っ」
なんだか急に恥ずかしくなって、頭からシーツを被った。
声が優しいのはずるいと思います
(頭が回らない…!)(疲れてるせいだ。絶対リンクのせいじゃない…)