だいじょうぶだいじょうぶ、大丈夫、見ていられないから。
特に大きな問題もなく壁外調査は行われていたはずだった。
しかし運悪く巨人の群れに襲われ、何とか近くの巨大樹の森で立体機動を展開し、巨人と戦っているうちにエレンくんと逸れてしまった。
「オイ、エレンを探すぞ」
「はい」
リヴァイさんからあまり離れないように木々の間を縫ってエレンくんを探す。
すると少し開けた空間があり、そこに目的の人物はいた。
周りには数体の巨人と、やつらが食ったと思われる人の残骸。
「エレ・・・」
口を開いた瞬間の事。
鋭い光が目を刺し、次の瞬間にはそこに見慣れた姿はなかった。
「 」
重い唸り声を上げ、拳を握る姿。
それはまさしく、私たちが敵対する巨人だ。
ズキン
「っぐ、ぅ・・・!」
突然頭を鈍器で殴られたような痛みに襲われる。
でもここは空中だ。
早く次のアンカーを刺さ、ない、と。
「なまえ!」
誰かの呼ぶ声が聞こえたが、それに応える間もなく意識は黒に染まった。
『辛くないの』
その問いに男は振り返った。
『 』
ただそれに答えは無く、ただ目の前のそれは曖昧に笑うのだった。