あてどもない出口の先は、きっと互いが帰る場所なのだろう



 
「今度の壁外調査でね、本格的にリヴァイさんの班に配属になったの」

だからよろしくね、と言えばエレンはそうなんですかと明るい表情で返してくれた。

「足だけは引っ張らないように頑張るね」
「なまえさんに限ってそれはないですよ。あんなに強いのに」
「そんなことないよ。壁外だって何が起こるかわからないし」

談笑していると、通りがかったミカサちゃんが寄ってきた。

「エレン。なまえさん」
「ミカサちゃん、お疲れ様」
「あれ、お前訓練って言ってなかったか?」
「上官が会議で遅れるからって」

「ふうん」気のない返事を返すエレンくんは私と話す時とは雰囲気も違い、年頃の男の子という感じがする。
微笑ましく思っていると、今度は少し離れたところから名前を呼ぶ声が届いた。

「おーいミカサ!もう始めるってよ!」

その声の主は男の子で、エレンくんたちと同年代に見える。
ミカサちゃんはぺこりと私たちに向かって会釈を残しその男の子と訓練に向かっていった。その姿が見えなくなると、エレンくんは無意識なのか、ため息をついた。

「どうかした?」
「あ、いや・・・。この後、ハンジさんと訓練なんですよ」
「?」

ハンジさんとの訓練に何か憂鬱になることがあるのだろうか?
首を傾げる私にエレンくんは曖昧に笑って誤魔化した。





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