一つ一つ命を持っている




ゴウ、と風を切って全速力で班員がいるだろう方へと飛ぶ。

もし「巨人の力」に錬度があったとして、初心者であるエレンを引き合いに出すことがそもそもの間違いだ。
敵が蒸気に紛れて脱出し、なおかつ立体機動装置を装備していたらその時は・・・。

「確実に、もう一度エレンが狙われる!」

しかも力が残っているとしたら再び巨人になり襲ってくる可能性もある。
俺の説明にリヴァイは眉間の皺を深くさせた。
その時、


「――――――!!!」


森の奥から何かの叫び声が響く。

「あっちだ」

今の声はほぼ間違いなく・・・。











こんなことが。



(グンタ)

(エルド)

(オルオ)

(ぺトラ)



こんなことがあってたまるか。

森の奥では班員達が無残に殺された後だった。
こんな状況で、弔う所か悔やむことすらできない。

「ギル」

リヴァイの声に顔を上げると、少し離れたところに巨人の死骸が転がっていた。
しかも首は刎ねられ、器用にうなじごと中身をかじられたようだ。

「まだエレンが生きてる可能性が高いな・・・」
「なぜそう言える?」
「巨人は”食うため”に殺すもんだ。綺麗にうなじをかじってるとこを見るとおそらくうなじの中身に用があったんだろう」

すると再び轟音が森に響く。
おそらく、まだ誰かが女型と戦闘をしている。
ガスをふかしたリヴァイに続いて、さらに森の奥へと飛び出した。

あいつらの死を、無駄になんてさせない。




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