思い通りにいくことはない




 
「クッソ、が!!」

ガキン!という音と共に刃が折れる。
女型がうなじを両手で隠してしまったため、さっきから何度かリヴァイやミケと一緒に攻撃しているのだが一向に刃が通らない。
鎧の巨人と同じ、皮膚を硬化させる能力を持っているため手の皮膚を削ることすらできないでいた。

「おいおい、どうするよ」
「・・・・」

エルヴィンは少し考える素振りを見せると、兵を呼び寄せ女型に聞こえない様に何事かを耳打ちした。
作戦通り発破をかけるのか。
兵が用意の為に去ると、入れ違うようにリヴァイが女型の頭に乗り何かを話している。

「・・・そうだ、一つ聞きたいことがあった。お前の手足は切断しても大丈夫か?また生えてくるんだろ?お前自身の本体の方だ。死なれたら困るからな」

そんな問いに答えるわけがないだろうよ。
巨人に対しても相変わらずの態度に突っ込みを入れようと口を開きかけた瞬間、


「きぃやああああああああああああああああ!!!」


女型が叫び声をあげた。
耳を塞いでも鼓膜を襲うそれに苛立ちを隠せず舌打ちをする。
それにしても何の叫びなんだ?
声が収まるとミケが慌てた様子で木に登って来た。

「エルヴィン!匂うぞ!」

決してエルヴィンが匂うという意味ではない。
ミケはその鋭い嗅覚で巨人が来るのを感じ取ったのだ。

「方角は?」
「全方向から多数!同時に!」

集中すると森のあちこちから振動するような音が聞こえてくる。

「発破用意を急げ!」
「エルヴィン!先に東から来る!すぐそこだ!
「荷馬車護衛班迎え撃て!!」

エルヴィンの号令で兵が巨人に向かって行く。

「!?」

しかし兵には目もくれず、巨人達は女型に向かって走ってきた。
そこでリヴァイが女型の頭に乗ったままなのを思い出し、襲われる前に始末してしまおうと巨人のうなじに向けてワイヤーを放つ。

ギュイイイイイイイ!!

2体は続けて殺せたが、小さいのが女型に走って行き・・・。

「は!?」

女型を食い始めた。
それに続くように次々と巨人が現れる。

「全員戦闘開始!!女型の巨人を死守せよ!!」

エルヴィンの指示に全員が一斉に飛んだ。





人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -