何も見えない闇の中にあった




 
ドン!!と大きな音を立てて女型は加速する。

「走れ!!このまま逃げ切る!!」

リヴァイの言葉に全員が身を低くして全力で馬を走らせる。
このままだと奴に奪われてしまう。
もう少し、あと少しだ・・・!!
女型がこちらに手を伸ばしてきた、次の瞬間。




「撃て!!」




木の上に隠れていたエルヴィンの鋭い声が合図となり、誘い込まれた女型に向けて大量のワイヤーが放たれた。

「え!?」

作戦を聞かされていない班員は驚いている様子だが今は説明してる暇はない。

「ギル」
「ああ」

リヴァイに頷いて後ろを振り向く。

「俺達はちょっと別行動するから、少し進んだら馬を繋いで立体機動に移ってくれ。エルド、指揮は任せた」
「適切な距離であの巨人からエレンを隠せ。馬は任せたぞ。いいな?」

班員の返答は待たず、立体機動装置を機動させて飛び、リヴァイと共にエルヴィンの許へ向かう。

「動きは止まったようだな」
「まだ油断はできない。しかしよくこのポイントまで誘導してくれた」
「後列の班が命を賭して戦ってくれたお陰で時間が稼げた。あれが無ければ不可能だった」

神妙にエルヴィンが頷く。
エレンを守り、女型をここまで誘い出す時間を稼いでくれた。
命も機会も無駄には出来ない。
彼らのお陰で、

「こいつのうなじの中にいる奴と会えるな」
「ああ。中で小便漏らしてねぇといいんだが・・・」

人間の中に紛れた”敵”を炙り出すことができる。




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