いつの間にか溺れ沈んでいた



 
「ジュード」

かちゃかちゃとパネルを操作するジュードを見つけて声をかけると、びくりと体を揺らした。
しかしこっちを向く気はないらしい。

「・・・悪かった」
「!」

謝りの言葉をかければジュードは驚いた顔をして振り替える。
そんなはずはないのに、久しぶりに顔を見た気がした。

「気分が悪かっただろ。あんなことをされて」
「あ・・・」
「嫌なら、」

忘れてくれ、そう言おうとして言葉が途切れた。
体当たりをするようにジュードが抱き着いてきたからだ。

「ご、ごめん・・・!でも、」
「?」
「嫌じゃ、ないんだ。ちょっとびっくりしただけで・・・」
「・・・」
「なまえが、そんなこと思ってるはずないって思ったら顔も合わせづらくなっちゃって」

目の前がチカチカと瞬いて、ジュードの存在しか感じられない。
肩に押し付けているジュードの顔を両手で包んで目を合わせると、羞恥で真赤に染まっていた。
その目が泳いでしまわないうちに、

「ジュード」
「 、」
「好きだ」

今度はちゃんと意識を持って、体にその命令をする。
ジュードの息と、俺の息がひとつになった瞬間だった。










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