それが君を好きって証明



 
「え!?まだ気付いてなかったの?」

久しぶりに顔を出したバランに最近の調子を話すとわざとらしいくらいの驚きが返ってきた。
しかし正直なところそれに苛立つ余裕もないほどまいっている。

「うわ、ほんとに調子悪そうだね」
「だからそう言ってるだろ・・・」
「これだから研究者って自分の事に鈍いやつばっかなんだから」

いつものように両手を広げているが、お前も研究者の端くれだろうが。
と、唐突にバランは急に真剣な顔になる。

「とりあえず答えを見つける手助けをしよう。いくら面白いって言ったって研究にまで支障が出てたんじゃ僕も困るしね」
「・・・?」
「でもこれは自分で気づかないと意味がないし」

この言い方だとバランは理由が分かっているようだ。
バランは指を1つ立てる。

「じゃあまず、体調が悪くなり始めたのっていつごろ?」
「1旬・・・ぐらい前か」

バランの従兄弟を紹介されて、その後からだった気がする。

「じゃあ次。体調が急に良くなったり悪くなったりすることは?」
「・・・ある」
「それってどんなとき?」
「・・・人がそばにいる時といないとき、か?」
「その人って特定の人物かい?」

特定の・・・?

「・・・そう、かもしれない」
「それって誰の事?」

それは、


「ジュード、だ・・・」


ジュードがいるのといないのとでは確かに気分の良し悪しがある気がする。
他の人間では起こらない現象だ。

「そこまで分かってるなら簡単じゃない」

バランがにっこりと笑う。



「なまえ、君は彼に恋をしているんだよ」



確かに言うのは簡単だ。
しかし俺にとってそれは言うほど簡単な状況ではなかった。







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