置いてけぼりの心



 
「はあ・・・」

思わずため息をついてしまうほど、疲れている気がする。
別段忙しい訳ではなく、息が詰まるほど緊張するような実験をしているわけではないのだが。

「なまえ?」

声の方を向くとジュードがこちらを見ていた。

「どうした?」
「どうしたって・・・いくら呼んでも反応しないから」
「・・・悪い」

このままでは研究にまで支障をきたしそうだ。
医者にでもかかったほうがいいんだろうか。

「・・・本当に大丈夫?」

心配そうな顔をするジュードを見て、そういえば彼も医者のようなものだったかと思い出す。

「最近、変に疲労感があってな・・・」
「え?」
「別に忙しくしてる訳でもないんだが・・・」
「うーん・・・他に何か症状はある?」
「いや、・・・!?」

急に額に体温を感じて顔を上げると、ジュードが額に手を当てていた。

「熱はないみたいだけど・・・」
「・・・・」
「なまえは気にかけなきゃいけないことが多いから、その疲労が知らないうちに溜まってるのかもしれないよ?」

ジュードの呟きにかもな、と返して俺はパネルに向き直った。








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