いつまでも、ずっと


 
突然、閉じていた瞼が光に襲われる。
煩わしげに目を開けば、俺が光を遮るために使っていた本を持ったジュードがこちらを見下ろしていた。

「またこんなところで寝て・・・。体悪くするよ?」
「ジュードに、だけは、言われたくない」

思った以上に掠れた声が出た。
余程ここ数日間の徹夜が響いてるらしい。
ジュードが苦笑する。

「ほら、頼んでお休みもらってきたから、寝るならベッドに行こう?」
「ん・・・」

手を引かれて何とか重い体を動かして隣の部屋へと移る。
床には散乱した本や書類が乱雑に置かれているが、ベッドだけは無事だった。

「着い・・・ってうわあ!!」

手を繋いだままベッドに倒れると、必然的にジュードも倒れこむ。
どこか恨めしそうな表情のジュードを抱き締めて体を回転させる。

「もー・・・リヒト?」
「ジュードも一緒に休みなんだろ?」
「そうだけど・・・」

なら大丈夫大丈夫。
俺の上に乗ったままのジュードは仕方ないなぁと困ったように笑った。
そのままジュードの白衣を脱がせて床に落とし、再び体の位置を変える。
今度はジュードの顔を見下ろしながら自分の白衣を脱ぎ捨てた。

「ちょっとリヒト」

文句を零そうとしたその口を、噛み付くように塞ぐ。
くぐもった声に唇をべろりと舐めたらぎゅっと服を掴まれた。

「ぷは、・・・もう!」
「っはは」

共に旅をした仲間は疾うにそれぞれの道を歩み始めた。
それは俺とジュードも同じ。



願わくば、この愛しき片割れが、永久にはぐれてしまわぬように。






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