「いらっしゃいませ!ナベかま亭へようこそ!」

目の前で笑顔を見せるなまえに頭を殴られたような感覚がする。
何度も見てきた笑顔だけれど、これだけは慣れることができそうにない。

「ご予約のお客さまですか?」

アンジュの台詞にうなずけば、彼女は安心したように息をはいた。

「ご予約、おありでしたか…。それではこちらがお部屋の鍵になります」
「それじゃあお部屋にどうぞ!」

案内のために歩き出したなまえに続く。
案内なんかなくても、ここには何度も出入りしているから迷うことはない。
なまえがいつもの部屋の前で止まった。

「こちらが『ナイフの間』です!ご飯はお時間になったらお部屋に運びますね!」

軽い説明をして立ち去ろうとしたなまえの手をつかんでひき止める。
そして驚いた彼女に同じ台詞を繰り返した。


「俺はリンク。ねえ、君なんていうの?」















(そしたら君はいつだって笑顔で応えるんだ)



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