「リンク、ロマニーのこと助けてくれたでしょ?」

2日目の午後。
なまえを誘ってクロックタウンを散歩中、隣を歩くなまえが覗き込んで言った。
もうすぐでナベかま亭に到着する。

「そうだけど…何で知ってるの?」

自分はなまえに何も教えていないはず。
なまえがえへへ、と嬉しそうに笑う。

「ロマニーが教えてくれたんだ!」
「ああ」

納得。
なまえとロマニーは仲がいい。
おそらく手紙かなにかで聞いたのだろう。

「わたしまたロマニーとお話できてうれしい!」

なまえが笑顔でいると自分もつられて頬がゆるくなる。

「でも」
「?」

ピタリと歩くのを止めると、なまえは腰に手をあてて怒った表情。
ころころ表情がかわって見ているとおもしろい。

「リンクがロマニーと会ったのはうれしくない!」
「え」
「しかもわたしにナイショで!」

それはつまり。

「ヤキモチ?」
「もー!そうだよ!」

なまえは口を尖らせて言った。
怒ってる顔もかわいいが、今はなんとかしてご機嫌を直さなければ。

「や、そんなつもりじゃなかったけど…ごめ」


ちゅ


「え」

なまえが動いたと思ったら、頬にやわらかい感触。

「もう浮気はしないでよね!」

おそらくロマニーを助けたことへのお礼なのだろうが、それを確かめる前になまえはばたばたとナベかま亭に逃げられてしまった。
しかしチラッと見えた赤い顔に、自分も熱が上がるのを感じた。















(ムジュラやあの月よりも君に敵いそうにないよ!)



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