サンギタウンにはイッシュの元チャンピオンがいると聞いたのだが、不在で会うことができなかった。
なので早々にサンギタウンを後にし、タチワキシティに到着した。
「なまえ、先にジム」
「いいのか?」
レッドが頷いたので、ポケモンセンターの予約はレッドに任せて早速ジムに向かうことにしよう。
「うおっ」
おそらくジム、いやちゃんとジムの看板があったから間違いなくジムなのだが。
鉄製の扉を開けると爆音の音楽が耳を襲った。
ステージの真ん中で歌っている少女がおそらくジムリーダーなのだろう。
階段を下りてステージに近付くと少女はギターを鳴らす手を止めた。
「挑戦者だね!あたしはホミカ、ここのジムリーダーだよ!」
「俺はなまえ。シンオウから来たんだ」
「シンオウってことは・・・」
「バッジは揃ってるからフルで頼む」
ホミカはふうんと好戦的に笑う。
ジムはいつ何時どんな強さのトレーナーが挑戦しに来るか分からないため、ジムリーダーは相手のバッジの数を見て使用するポケモンを決める。
なまえはすでに4つの地方のジムをすべて攻略している。
当然なまえのポケモンたちに初心者向けのレベルのポケモンなど相手にならない。
「使用ポケモンは3体!交換は自由だ!」
「オーケー。始めようぜ」
俺のボールからはエンペルト、ホミカのボールからはペンドラーが出てきた。
審判の開始の合図に間髪を入れずに指示を飛ばす。
「ハイドロカノン!」
「ベノムショック!」
互いの技がぶつかって爆発し、視界が白煙に覆われる。
ぞくぞくした高揚感。
ああ、これだからバトルはやめられないんだ。
「冷凍ビーム!」
白煙の中揺らめく影にエンペルトは技を放った。
いざ、直球勝負
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