「ピカチュウ、ボルテッカー!」
「ムーランド!」

轟音と共にチェレンのムーランドが場外に吹っ飛んだ。
チェレンはムーランドを労ってボールに戻す。

「強いですね」
「そっちこそ、さすがジムリーダーだ」

俺の言葉にチェレンは苦笑した。
多分俺が一度もポケモンを入れ替えていないからだろう。
差し出されたバッジをケースにしまった。

「終わった?」
「レッド」

街の散策に行っていたレッドがドアから姿を現す。
ジムに挑戦している間はお互いバトルの観戦はしないことを旅をする上のルールにした。
ジムリーダーの手の内が分かっていてバトルをするのはつまらないし、何よりお互いの成長が分かってしまうのがつまらない。
まあ後者は一緒に旅をする以上仕方がないとは思うが。

「なまえさんもレッドさんも、バトルできて勉強になりました」
「ありがとう」
「次はぜひトレーナーとしてバトルして下さい」

聞けばチェレンは2年前はトレーナーとして旅をしており、ジムリーダーにはつい先日就任したんだとか。
その時一緒に旅をしたポケモンたちがチェレンの最強の手持ちらしい。

「ま、どんな相手でも全力で戦って勝つさ」
「ん」

レッドが後ろで小さく返事をした。
それに笑みを返すとチェレンから紙を渡される。

「これは?」
「僕のライブキャスターの番号です。良ければ連絡して下さい」
「ああ、ありがとう」

次の挑戦者が来たらしく、後ろが少し騒がしい。

「それじゃあ、これで」
「ええ、またお会いできるのを楽しみにしています」

チェレンに手を振って俺たちはジムとヒオウギシティを後にした。







君の世界を半分コ



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