「!!」
「あっ!見つけた!リンクのロフトバード!」

そこには小さな横穴に柵で閉じ込められたロフトバードがいた。
助けを求めるように鳴いている。

「ひどい・・・!」
「リンク!洞穴をふさいでいる格子をなんとかできない?」
「うん!」

リンクは剣で柵を止めているロープを切る。
ロフトバードはゆっくりと洞穴から出てくると、頭を撫でるリンクに嘴を寄せた。

「よかった・・・」
「さあ、鳥乗りの儀の会場に急ぎましょう。さっそくあの子に乗って・・・」
「?」

急に黙ったゼルダに、私は首を傾げた。

「ねえ!2人とも、今の呼び声・・・聞こえた?」
「え?」
「・・・最近よくあるの。誰かがわたしを呼んだような気がする事・・・」
「僕は聞こえなかったけど・・・?」
「私も・・・」

ゼルダはじっと眼下の雲を見つめる。

「・・・雲の下ってどんなだろうって、考えた事ある?みんなはこの下には何も無い・・・虚無の世界だって言うけれど、わたしは違うんじゃないかって思う」
「どうして?」
「お父様が持ってる古文書にはね・・・スカイロフトよりもずっと広い、大地と呼ばれる場所の事が書かれているの。調べた人は誰もいない。ロフトバードだって、厚い雲に阻まれて抜けられない・・・」
「・・・・・」

私もその話はおばあ様から聞いたことがある。
大地にはスカイロフトで見たこともないような景色が広がっているって。
同時に、とても恐ろしい所だとも。
でも・・・・。

「・・・でもわたし、いつかあの雲の下を見てみたい」
「そっか。・・・・ティエラ?」
「あ・・・ううん何でもないよ!」
「そう?・・・ごめんね、こんな時に変な話をして。さあ行きましょう!ほら、あの子もリンクを待ってるわ!」

リンクは大きく頷いて、ダイビングする。
それに続いてゼルダと私も飛び降りた。

ピィー!

片手で甲高い指笛を鳴らすと、空から来たロフトバードが私の体をすくいあげた。
お礼の意味も込めてその薄桃色の体を撫でる。
ロフトバードは嬉しそうに小さく鳴いた。

「じゃあ、お父様達が待ってるから急ぎましょう!」

ゼルダの言葉に、私たちは広場へと向かった。






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