ぐいぐいとゼルダが引っ張る先は鳥乗り場だ。 私は慌てて二人の後を追いかける。 「さあ、ここからいつもみたいにダイビングしてロフトバードを呼んで。鳥乗りの儀はもうすぐなんだから、今だけは真面目にやってちょうだい」 「いや、それがロフトバードを感じられなくて・・・」 「え?」 「・・・もう!さっきのお父様の話に乗っかってごまかすつもりなの?お願いだからちゃんと練習して。じゃあ、いってらっしゃい」 「ま、待ってゼル」 どん。 私が止めるのも間に合わず、リンクは落ちてしまう。 慌てて下を覗くと、リンクがいつものようにロフトバードを呼んでいる。 しかし、 「・・・ロフトバードが・・・来んようだが?」 「・・・大変!!」 「リンク!!」 ゼルダが迷いもなく飛び降りて、ロフトバードを呼びリンクを引き上げる。 「お前達大丈夫か!?」 「二人とも、大丈夫!?」 リンクに駆け寄って大きく動くその背中を撫ぜる。 ゼルダはロフトバードの首元を撫でていた。 「ごめんね、無理な飛び方させちゃって・・・どこも怪我してない?」 「・・・それにしてもリンクのロフトバードはどうしたのかの?主が呼んでも姿を現さんとは・・・」 リンクがゆっくりと立ち上がるのを見て、私も立つ。 「リンクよ、お前はまだロフトバードを感じられぬのか?」 「はい・・・」 「間もなく鳥乗りの儀だというのに困った事になったな・・・」 「リンク、さっきの事は本当だったのね・・・ごめんなさい」 眉を下げて言うゼルダにリンクは大丈夫と笑った。 「わたしはもう少しこの子を休ませてから行くから、あなたは自分のロフトバードを捜しに行って!」 その時、騎士学校の時間を告げる鐘が鳴る。 「おお、こんな時間か。・・・今年の鳥乗りの儀の担当は確かホーネル先生であったな。リンクよ、この事をホーネル先生に相談してみてはどうだ?」 リンクは頷くが、ゼルダは笑う。 「お父様、ホーネル先生に相談しても、先生は結局校長のお父様に話を持ってこられると思うわ」 「お、おお・・・さすがは我が娘、その通りだな・・・。では、この件はワシがホーネル先生に説明しよう。リンクよ、彼にワシの部屋に来るよう伝えてくれ」 そう言ってゲポラは去っていった。 それを見送って、私はリンクに向き直る。 「ねえリンク、私も捜すわ」 「ありがとう、ティエラ」 「とりあえず、ホーネル先生のところに行こう?」 リンクは頷き、私も歩き出した。 |