リンクが手に優勝の証の彫像を持って飛んで来るのが見える。
ゼルダは待ちきれないように飛び降りて、そのまま2人を乗せたロフトバードは女神像へと飛んでいく。
私はそれを見送り、事の次第をおばあ様に伝えるために家へ戻った。




「ただいま」
「おかえり、ティエラ」

扉を後ろ手で閉めると、椅子に座った祖母がこちらを向いて微笑んだ。
滝の洞窟の柵の話をしようとおばあ様に近付く。

「あのね、おばあ様・・・」




「それで・・・」
「・・・・」
「・・・おばあ様?」
「何だか外が騒がしいわ・・・」
「え?」

話の最中、突然おばあ様は言った。
そしてそれに続くように轟音がする。

「・・・・」
「今のは・・・?!」
「ティエラ、ゼルダとリンクの様子を見ておいで」
「!!」

おばあ様の言葉に、弾かれたように席を立って走り出す。

「もう、手遅れかもしれないけれど・・・」

そう呟いた声は届かなかった。





リンクが騎士学校に運ばれたと聞いて部屋へ入ると、ゲポラがいた。

「リンク・・・!」

床に膝をつき、ベッドに眠ったままのリンクの顔を見つめる。

「・・・大丈夫、眠っておるだけだ」
「良かった・・・」

ゲポラの言葉に心の底から安堵の息をつく。
しかし、部屋にゼルダの姿はない。
ゲポラもなぜゼルダではなくリンクの部屋にいるのだろう。

「・・・!!」

それを問う前に、リンクが飛び起きた。

「リンク!」
「目が覚めたか・・・」
「・・・ティエラ。ゲポラ校長・・・」
「気絶したお前をロフトバードが連れ帰ってきた時はキモを冷やしたが・・・、運よくお前にもロフトバードにもケガはなかったようだ。ともかく無事でよかった・・・」

しかしリンクは何かを思い出したように俯く。

「リンク・・・ゼルダは・・・?」

おそらく、ゲポラも同じことが聞きたいのだろう。
リンクは悲痛な面持ちで話し出した。






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