広場に降り立つと、ロフトバードは再び空へと帰っていく。

「あんなことがあったのに、やっぱりあなたのロフトバードはすごいわね!わたし、このことをお父様に知らせてくるわ」
「うん」

走って行くゼルダを見送っていると、入れ替わりにバドくんたちが広場にやってきた。

「よう!リンク!なんだ、おめえのチキン見つかったんだって?でもよ、おかげで待たされたオレたちは朝から整えてたコンディションがガタガタだぜっ!たくっ!なんでおめえだけいっつも特別扱いなんだ?ただのボンヤリやろうのくせによ!」
「バドくん・・・」
「だいたいな!今もゼルダやティエラと一緒にここに来たみてえだが・・・おめえは女と一緒でないと何も出来ねえのか?!「ボク、ゼルダちゃんと仲良しです。幼馴染みのお似合いカップルです」・・・って自慢かぁ!?あぁ自慢なのかぁぁ?」

バドがリンクにからんでる中、ラスとオストは何やら後ろでこそこそと話している。

「バドさん普段は・・・「ゼルダを必ずオレのヨメにして、いつも一緒にいるんだぁ!」って・・・なぁ!」
「クックック・・・」
「まあしかしなんだぁ!この儀式で優勝した奴が女神役から・・・ゼルダからもらえるパラショールはオレ様がいただきだ!しかもそれがゼルダの手作りだってんだから、渡すわけにはいかねえ。あのゼルダの羽織ってるパラショール・・・あれがオレ様の手に・・・。いい香りだろうな、くくく・・・。そのうえ、優勝したら女神像の上で儀式。2人っきりの儀式・・・。邪魔するものはいねぇ・・・。そんな最高の場所でオレ様とゼルダは・・・。ムフ・・・ムフフフ・・・。デヘヘヘ」

段々とバドくんの声が小さくなっていき聞こえなくなってきたころ、ラスとオストが慌てた様子でこちらを指差した。

「バ・・・バドさん!バドさーん!後ろ!後ろ!!」
「何だよ!うるせえなぁ・・・!」

そう言ってバドは振り返る。

「ゲゲッ!!!」
「わたしとあなたが何?邪魔者がいないからなんなの?」

その視線の先を追うと、数時間前のようにゼルダが仁王立ちしていた。

「へへ・・・、ま・・・まあなんだ!リンク!お前も鳥が見つかって良かったな。今日は正々堂々勝負だぜ!じゃああとでなゼルダ!オレの勇姿を目に焼き付けとけよ」
「あぁ、バドさん待って〜!」

騒がしく3人は去って行った。

「何が正々堂々よ!こっちが言いたいセリフだわ!リンク!あんな人たちの言うことなんか気にしないで、今日は精一杯がんばってね!わたし、信じてるからね!約束よ?!」
「うん。がんばるよ」
「そう、その意気ね!リンクなら優勝間違いなしよ!」

笑いあっていると、開始のベルが鳴った。

「これより鳥乗りの儀を始める!選ばれた生徒は集合するように!」

「リンク!がんばってね!」
「ありがとう、ティエラ」

広場のベンチに座り、鳥乗りの儀が始まったのを見つめる。
ゼルダもかなり落ち着かない様子だ。
でも私もゼルダもリンクが優勝するのを信じている。

だから何も心配いらない、はずだった。






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