キミがくれた花一輪



「あ、見てリンク」
「なに?」
「ほら、あそこ」

広い広いハイラル平原を横断中。
なまえが指差した先を見れば、淡い色の小花がぽつりと咲いていた。

「花だ」

なまえは花を見て嬉しそうに笑っている。

「こんな時代でも咲くんだね」

魔王がハイラルを支配した後。
良い噂のない今日、荒れた地に花が咲いたというのは何だかとても良いことのように思えた。
リンクもふ、と息を緩める。

「あれ、欲しい?」

なまえはゆるゆると首を振る。

「知らないの?花は自然に咲いているのが一番綺麗に見えるのよ」

どこか誇らしげななまえに、オレはそうだねとこぼした。




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