内緒話は耳元で、

昨日は思わず勢いに乗って頷いてしまった…。
一ヶ月間付き合うって大丈夫なのか俺。
どんな顔して教室で会えばいいんだ!


そんなことを悶々と考えながら家から出る。
右に曲がって一つ目の十字路を左に…って。
十字路の電柱の前に立ってるのは……。


「よお」
「グリーン!?」


まさかのグリーンが立っていた。


「なんでこんなとこに…」
「実は家が近いの知らなかったか?つか、昨日もここまで一緒に帰っただろ」
「え、ああ…」


昨日はお前に告白された帰りで混乱してあんまり覚えてません、とは言えないので返事を濁す。

「ほら、行こうぜ」
「あ、ああ」

歩き出したグリーンの背中を慌てて追った。











それから他愛ない話をして登校した。
グリーンが気を使ってくれたからなのか、学校に着くころには気まずさがなくなっていた。
下駄箱で靴を履き替えて教室へ向かう。

「なまえ」
「ん?」

いきなりぐっとグリーンが近付いてきた。

「明日からは、迎えに行くから」
「!」
「帰りも待ってろよ?」

耳元でそれだけ言うと、グリーンはさっさと教室へ入ってしまう。
俺はと言えば、友人が来るまでその場から固まったように動けなかった。

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