グレーターデモッシュは長い足を振り回して攻撃してくる。
アルヴィンが銃で応戦しているが、外層が固くあまり効果はないようだ。
精霊術で攻撃したほうがよさそうだと判断し、ミラに視線を投げる。
「ミラ!私たちが時間を稼ぐから、術で応戦して!」
「わかった」
襲いかかってくる足がミラに届かないよう囮になって跳び回りながら避ける。
そんな中ふとジュードと目があった。
「フィオ!」
「やるわよ!」
「うん!」
互いのリリアルオーブが光り、相手と思考が共鳴する。
「「三華猛襲脚!!」」
ジュードの三散華と裂蹴撃が合わさり敵にダメージを与える。
倒せなくとも時間が稼げれば十分。
「バーンスプレッド!!」
ミラの炎の精霊術がグレーターデモッシュを焼き、跡形もなく消えた。
「魔物が岩に擬態してたのか。よく気付いたな」
「魔物があの女でなく、真っ直ぐお前たちに向かうとは考えなかったのか?」
感嘆の意をこぼすアルヴィンとは対象に、ミラは呆れたように腕を組む。
「それでもよかったんだ。そうすれば、アルヴィンがあの人の死角に入れたし、隙ができればフィオが動くことだってできたから」
「すごいな。あの一瞬でそこまで・・・」
「大したものだ。誰にでもできることではないな」
「ええ。すごい判断力と観察眼だわ」
言葉を受けて、ジュードは小さく何かを呟く。
「ありがとう。ジュード、フィオ。アルヴィンも」
ミラのお礼にジュードは照れたように俯いていた。